【アナウンス】


メールサービスとWWWサービスの切り分けについて

 1月1日号の新年ご挨拶においてお知らせしました、2月からのWWW上でのニュース発信と無料開放に関して、多くの読者の方よりご意見をいただきました。「有料でメールを購読する価値がなくなる」、「1週間遅れて無料開放なら理解できる」等の否定的なご意見から、「PC WatchラジオのようなWWW上ならではの試みを期待する」「リンク集を充実させてほしい」というのもまで様々でした。

 電子メールとWWWをどのように切り分けるかというのは、WWW上でのニュース発信を決定したときからの課題でしたし、正直に申し上げれば、現在もまだ模索している最中でございます。もちろん、個々のメールボックスに届く電子メールと、一つ一つ記事を読みに行かなければいけないWWWでは違うメディアであることは分かっていますし、企画的にも違うものを準備しております。しかし、今回皆さんからご意見を頂いたことで、電子メールとWWWに関して役割の切り分けをよりはっきりとさせることができました。それは次のようなことです。

 創刊当初は、日刊メディアということでタイムリーに情報を提供できると考えておりました。実際、当初はそれで十分だったのですが、インターネットが普及するにつれ、気軽にいろいろなことができるため、今晩のライブ情報がお昼にアナウンスされるといったことが起きるようになってきました。これでは、日刊では追いつきません。かといって、号外を乱発するのでは、どれが重要な情報分からなくなりますし、電子メールの場合1通の配信に数時間かかるため、「リアルタイムに提供する」とは程遠いというのが現実です。こうしたリアルタイムな情報提供には、WWWというメディアは最適なのです。

 また、日本海石油流出事故のWWW情報のような場合、毎日新しいWWWのページが立ち上がるため、日々追加するという継続的な作業も必要となっています。特集や集中企画をやってそれで終わりというわけにはいかないのです。もちろん、末尾のニュース等ではお伝えしますが、WWW上にまとまったページを作るのが最適ではないかと考えます。

 一方、わざわざ見に行く必要があるWWWに対して、電子メールは皆さんのメールボックスまで配信されるという利点があります。また、ローカルで見ることができるため、一日の情報をまとめてゆっくり読むことができます。そのため、ニュースの見落としも少なく、後での分析や自分に必要な情報の再整理なども簡単に行なえます。

 こうした分担を考慮して、当初の予定を変更して次のようにいたします。

 これにより、電子メールとまったく同じ内容を一般の人が読むことはできなくなります。WWW上には1つ1つの記事がばらばらに掲載されますので、リアルタイム性は損なわれません。リンク集ページなどは自由にアクセス可能ですので継続性も確保できます。一方、一日の情報をWWWで網羅的に読むには、すべての記事にアクセスし、リンク集ページなども更新された差分をチェックするという作業が必要になります。

 今後は、さらに電子メールの「一日のニュースが一覧できる」という特性をより伸ばす方向での編集を行い、「電子メールをとっていて本当によかった」といわれるサービスにしていきたいと思います。今回のように、読者の皆様の声にお応えして方針の変更をすることもあると思います。否定的、肯定的どちらの意見も大歓迎いたします。今後とも編集部に数多くのご提案をいただければ幸いです。

ウォッチ編集部 編集長 山下憲治

('97/1/27)


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