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著作権審議会がネットワーク上の著作隣接権を認める審議経過報告を発表

 

 文化庁の著作権審議会マルチメディア小委員会は、2月24日、著作権法の見直し案をまとめた審議経過報告を発表した。

 これは、デジタル化・ネットワーク化の進展によって生じた課題について、法改正のポイントを指摘するもの。96年12月に開催された世界知的所有権機関(WIPO)主催の著作権・著作隣接権問題外交会議(本誌96年12月3日号12月25日号参照)において、「WIPO著作権条約」「WIPO実演・レコード条約」が採択されており、この経過報告は新条約の内容をふまえてまとめられている。

 現行の著作権法では、ユーザーからのリクエストによってデータを送信する場合、作詞・作曲家など著作者の権利は保護されているが、実演家・レコード製作者の権利を保護する「著作隣接権」は認められていない。また権利の対象とされているのは、「送信行為そのもの」に限られている。
 この点について「WIPO実演・レコード条約」では、送信の前段階の「公衆に提示される状態に置く(=ネットワークに接続する)こと」に権利を認めて、実演家・レコード製作者の利益を確保するとしている。小委員会ではこれに従がい、CDなどのデータをネットワーク上に置くことなどについて権利を認め、著作権法に規定することが適切であるとしている。

 また現行法では、LANでコンピュータプログラムなどの著作物を共有利用することが可能だが、これが著作権者に不利益を与えていると指摘。当面はプログラムに限り、LANの各端末まで権利が及ぶようにする方針を示した。

 

('97/2/24)

[Reported by takasaki@impress.co.jp]


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