【ニュース/ソフトウェア】


WWWとOSのシームレスなオペレーティング環境を実現

Windows用の「Internet Explorer 4.0」
日本語βは4月上旬に一般公開

■URL
http://www.microsoft.co.jp/ie/ie40/

 マイクロソフト株式会社は、同社のホームページ上に日本語版「Internet Explorer 4.0」の評価版に関するコーナーをオープンした。同社によると、Windows 95/NT 4.0版の一般への配布開始は4月上旬になる見込みだ。

 注目は、お馴染みのWWWブラウザーのインターフェイスで、あらゆるデスクトップ操作が可能になる「ActiveDesktop」機能だ。これを中心に、全体的に大幅な変更が加えられている。デスクトップ自体がHTML文書として扱われるため、ローカルマシン内での操作と、インターネットへのアクセスの境目がなくなる。また、HTMLコードを書き換えたり、ActiveXコントロールを追加するなどして自由にカスタマイズすることも簡単にできるようになる。同社では、こうした(Windowsの)エクスプローラ・デスクトップとInternet Explorerの融合を「Web PC」と呼ばれるコンセプトにまとめており、WWWが持つ拡張性を積極的に利用しようという意図を窺うことができる。

 さらに、これまでもMarqueeタグなどでHTMLの独自拡張を行なってきたが、こうした試みの延長として、「ダイナミックHTML」の標準化を強く推し進めていく意向であるという。この仕様については、すでにWWWCに草案を提出済みで、Netscape Communications社などと調整を進めているとのことだ。無論、これはIE 4.0でもサポートされる。

 その他のWWWブラウジング機能として注目したいのは、「AutoComplete」と呼ばれる機能だ。これは、これまで打ち込んだURLを学習し、途中まで打ち込むと自動的に目的のURLが出てくるというもの。ほんのちょっとした工夫だが、ユーザーにとってはありがたい。また、WWWの自動巡回機能も標準で利用できるようになり、この機能を使い集めておいた情報を、壁紙やスクリーンセーバーとして表示させておくことができる。PointCast社との提携により、プッシュ配信されるニュース情報なども、同様に流しておくことが可能だ。

 付属アプリケーションでは、「Internet Mail and News」は「Outlook Express」と名称が変更され、POPやSMTPの他、IMAP4もサポートされる。また、HTMLメールの作成・送受信も可能で、Netscape Communications社が提供する「In-Box Direct」サービスの利用も可能になる。さらに、単なるHTMLファイルを送信するだけでなく、MIME形式で画像などを貼り付けて送ることもできる。

 このほか、インターネット経由でアプリケーションの共有が可能なビデオ会議ソフト「NetMeeting」、動画をストリーミング再生できる「NetShow」、個人向けのWWWサーバー「Personal Web Server」などが付属する。そして、ホームページ作成ソフト「FrontPage」の簡易版「FrontPad」も新たにお目見えする予定だ。

 しかし、これら全てのコンポーネントをダウンロードしようとすると、ファイル容量が30MBにもおよぶという。同社ではユーザーの負担を考慮し、「ActiveSetup」という配布手法を新たに導入するという。これは、ファイルのダウンロード中に接続が切れた場合でも、途中から再開できるという技術。サーバー側に専用モジュールを追加することで可能になるという。

 同社は、Internet Explorer 4.0の機能を次期OS「Windows 97」そのものに組み込み、一層シームレスなオペレーティング環境を実現したいとしている。なお、気になるMacintosh版も、現在開発を進めているという。

('97/3/12)

[Reported by yuno@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ


ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp