【イチオシ】
読者のみなさんの中にも、子供の頃にピアノを習ったり、ピアニストを夢見ていたりした「ピアノ好き」も結構いたりするのではないだろうか。実は私も学生時代、近所のピアノ屋さんに入り浸たっては、新品や中古のピアノを次から次へと弾きまくっていたりしていた。そこで弾いたピアノは、それぞれのメーカーの味が感じられ、ついつい長居してしまったものだ。そんな経験から分かったのは、同じ型名のピアノでも、徐々に設計や材質を変更されているので、年代とともに全く質の違うものになるということだ。
そんな風にしてピアノにのめり込んでいったせいか、「このピアノはいつ頃作られたのだろう?」といった好奇心がピアノを見る度に湧いてくる。おまけに、新品でも製造後数年経っているものもあったりするので、いつ頃製造されたものかというのは、ものすごく興味深いものなのだ。今でも、ついつい「このピアニストはどんなピアノを弾いているのだろうか?」とジャケット写真に見入ってしまったりすることが多い。
コンサートを見に行ったときも同じだ。私が見に行くようなコンサートでは、大概の場合、スタインウェイのピアノが使われており(ごく希に、ベーゼンドルファーも使われていたりするが)、「やっぱりスタインウェイじゃないとね」と感じることもしばしば。結局、ほとんどのコンサートホールでスタインウェイが採用されているので、それを上手く弾きこなせないと一流のピアニストとは言えないようだ。
普段からそんなことばかりを考えているためか、スタインウェイのオフィシャルサイトがないものかと思い悩んでいた。しかし、実際に探してみると、意外に簡単に見つかってしまった。1853年に設立されたピアノメーカーだけに、いたるところに風格というか伝統が感じられるページ構成に仕上がっている。
すごいのは、各々のピアノのシリアルナンバーから、何年に製造されたものなのかが分かる「Find Out How Old Your Steinway Is」というページ。コンサートホールやスタジオでスタインウェイに出会ったとき、シリアルナンバーを見ては「これはこの前のものより新しいなぁ」という感じで、いつもピアノをチェックしていたので、このページを見て妙に感動してしまった。
さらに、現行モデルのサイズや各部品の材質などの詳細が分かるデータシートがあったり、スタインウェイと比べると低価格でお買い得な「Boston」というブランドのピアノが紹介されていたりする。また、ピアノのメンテナンスについての解説があったり、有名ピアニストからの賞賛の言葉などがあったりする。ちなみに、スタインウェイの工場はニューヨークとハンブルグにあるそうで、日本向けに供給されているもののほとんどがハンブルグ製なのだそうだ。そんなところもチェックしておくと、意外な掘り出し物に出会う確立も高くなる。
ごくごく常識的なところから、かなりマニアックなところまで楽しめるので、ピアノに興味がある方は覗いてみると楽しめるはずだ。
('97/3/25)
[Reported by musemac]