【レポート】


将来は自宅や会社でローンの即時審査も可能に!
富士銀行の新端末「新型マルチメディアバンク」レポート

 自宅や会社のパソコンから、銀行のローンやクレジットカードの即時審査が受けられて、ビデオカメラで対話相談もできる…そんなことが遠くない将来に可能になるかもしれないと思わせるシステムが登場した。
 4月15日から大手町の地下街「富士銀通路」にあるキャッシュディスペンサーコーナーの一角に登場した「新型マルチメディアバンク」は、カードローンやクレジットの受け付けや即時審査、テレビ電話を使った相談などが行なえる新しい端末。これまで受付から2週間かかった審査が、この端末を使って即時審査することにより30分に短縮されるという。

 さて、「新型マルチメディアバンク」の外観だが、テレビCMなどでよくで見かける消費者金融の無人契約機に少し似ている。しかし、なんとこれにはインターネットの技術がフル活用されているというのだ。
 富士銀行によると、この端末はなんとPC/AT互換機パソコンとプリンター、スキャナー、ビデオカメラの組み合わせで作られており、コンテンツはHTML文書とJava、JavaScriptで作られているのだそうだ。使用しているOSはWindowsNT。コンテンツ表示に使用しているソフトはなんとお馴染みの

WWWブラウザー「Netscape Navigator」だという。
実際に試してみたところ、一見するとブラウザー特有のメニューや「鍵」マークなどが見えないため、本当にWWWブラウザーなのかわからない。しかし、表示画面が切り替わる時に見えかくれする小さなアイコンは、まさしく画像読み込み中にNetscape Navigatorが表示する見慣れたアイコンなのだ。操作は、タッチパネル形式で、利用したい項目に触れていくと進められるしくみ。実際にローンの申し込みをする際には、端末のそばにある申し込み用紙に記入し、指示に従って申込用紙や免許証などをスキャナーで読み込ませるといった作業も加わる。なお、店舗案内や、ローンシミュレーションなどの基本的なコンテンツはローカルのHDDに収められている。

 この「新型マルチメディアバンク」の機能で一番面白かったのは、操作画面をユーザーとサポートセンターのオペレーターとの両方で共有できるようになっているところだ。もしユーザーが操作に戸惑ってしまった場合、呼び出しボタンをタッチするとメニュー画面の隣のウインドウにオペレーターが登場し、目的の画面へと導いてくれるのだ。相互の会話も画像もかなりスムーズ。サポートセンターへはTCP/IPプロトコルを使って、INS64で接続されているとのことだ。



 「新型マルチメディアバンク」の一番の狙いは、有人カウンターを減らし、店舗コスト下げることだという。開発担当者によれば、HTMLでコンテンツを作成したのは、将来的には一般家庭のパソコンでの利用や、富士銀行のホームページとのコンテンツ共有にも対応することを考えてとのこと。現在この端末は大手町のほか、吉祥寺駅前の無人店舗、日本IBM箱崎事業所内にもある。住所変更などの諸届けができる機能を付加し、完成したものを全国展開したいと話している。



('97/4/18)

[Reported by junko@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ


ウォッチ編集部INTERNET Watch担当 internet-watch-info@impress.co.jp