【ニュース/データ放送】
TBS(東京放送)は、地上波テレビ放送電波の隙間を利用してパソコン向けにデータを配信する「地上波データ放送」サービスの開始に向けて、郵政省に免許を申請した。免許がおり次第、1カ月間の試験放送を経て、'97年7月からは協力会社とともに実験運用を行ない、'97年10月から本格運用を開始する予定だ。
同サービスは、伝送路として地上波テレビ放送の映像信号の隙間(垂直帰線消去期間:VBI)を利用するもので、データ放送方式として株式会社インフォシティが開発した「Bitcast方式」を採用した。VBIを利用したデータ放送方式としては、他にテレビ朝日が4月から放送を開始している「ADAMS(TV-Asahi Data and Multimedia Service)方式」などがあるが、TBSはBitcast方式を採用した理由として、郵政省の先端技術型研究開発助成金の支援を受けて開発された技術であること、複数の放送局およびメーカーが採用予定のオープンな規格であること、などをあげている。
ユーザーはパソコンにデータ受信用の専用カードを取り付け、専用ブラウザーを使って情報を閲覧することになる。提供される情報は、ニュース、スポーツ情報、気象情報、娯楽情報などの予定。インターネットとの連携も可能という。また、TBSではソフトウェアのようなデータファイルの配信も考えているとのことだ。データ放送の受信料は無料だが、将来的には有料サービスも検討している。今回のサービスが受けられるのはTBSの受信地域で、他のJNN系列局でも同様のサービスを開始する予定の局があるという。
受信用専用カードと専用ブラウザーは、'97年7月頃より数社のメーカーから2~3万円程度で発売される予定。対応プラットフォームはWindows 95マシン(PCIバス搭載機)。
('97/4/28)
[Reported by nagase@impress.co.jp]