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ECOMが海外のEC関連企業・組織等の動向調査の報告書を発表

■URL
http://www.ecom.or.jp/about_wg/wg21/press/970527.htm

 ECOMは27日、海外でのECや電子マネーの推進状況をまとめた「海外のEC関連企業・組織等の動向調査の報告書」を発表した。

 報告書では海外のECや電子マネーの推進状況について、米国ではインターネットを利用するECへの取り組みが主流であり、欧州ではインターネットでの利用有無と関係なくICカードを利用する方法が主流であるという特徴をあげている。

 現在導入されている電子マネーシステムの種類としては、PROTONシステム(オーストリア、オランダなど7ヶ国)、MasterCard Cash(アメリカなど3ヶ国)、VISA Cash(アメリカ、日本など10ヶ国)、Clip(イタリアなど4ヶ国)、MONDEX(イギリス、アメリカなど6ヶ国)、CAFE(イギリスなど3ヶ国)、e-Cash(アメリカなど4ヶ国)などをあげている。e-Cashはインターネット上で利用する電子マネーで、他は全てICカードを利用したシステム。

 国別ごとの導入状況としては各国(欧州:イギリスなど12ヶ国、南北アメリカ:カナダなど5ヶ国、アジア:シンガポールなど5ヶ国、その他:オーストラリアなど5ヶ国)の導入システム、導入時期、カード発行枚数などを紹介している。例えばイタリアではMINI PAY、OPERA、VISA Cash、Cassamatの4つのシステムが導入され、そのうちMINI PAYの導入は96年6月に行なわれ、カード発行枚数は約15万枚となっているなど。この報告からは欧州やアメリカ、カナダでは1ヶ国で複数のシステムを導入し、早いところでは'95年後半から自治体レベルでの実験開始を行ない、カード発行実績も100万枚を越えるものもあることが分かる。

 ECOMでは今回の報告書をECの国際的な共通プラットフォームの構築に役立てるとともに今後も海外のEC組織と意見交換を行なうとしている。

 この報告書では日本についての状況は述べられていないが、日本では今春より日本IBM(本誌96年12月4日号参照)やダイエーグループ(本誌97年1月17日号参照)などでクローズドでの実験を開始されたばかりだ。自治体での実験となるとJCBと三鷹市での実験(本誌97年4月17日号参照)がようやく7月から始まる。欧州と比べると日本の取り組みの遅さが目立つのが分かる。

('97/5/29)

[Reported by kikuchi@impress.co.jp]


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