【対談】
6月4日のインプレスのブース「impress Digital Station」では「SOHO社会の到来」と題して、慶応義塾大学環境情報学部教授の村井 純氏とインターネットマガジン編集長との対談が開かれた。村井氏は日本におけるインターネットの第一人者。
村井氏は今後一年間のインターネット社会の見通しとして、家庭など末端で10Mbps台での接続が可能となるビジネスレベルでの目処がつくだろうと述べ、CATVや衛星などを利用した接続方法のあり方を示した。また現在取り組んでいる実験として、自動車1台1台にIPアドレスが割り当てるといった構想をあげ、PHSや携帯電話で使われているエリアを特定する技術と組み合わせることで、その自動車のいる所在地やその地点の気象状況などの情報を利用者が意識することなく活用することが可能になるだろうと話した。
SOHOに関しては村井氏自身10年以上も前から自宅に専用線を引いていたとのことで、ここ最近の通信コストの低下など技術的な環境は整いつつあると述べる反面、一人一人の人間がどのように生活していて、デジタルテクノロジーをその生活にどのように活用していくのかといったことをもっと考えなければならないと強調。具体的には今インターネットを活用している人が子どもたちに啓蒙したり、高校などの教育機関などにもっとインターネット環境を整備していくなど、次世代の人たちに対し、インターネットの活用方法を伝えていく必要があると語った。
対談中は、村井氏が常に携帯している、普通の人ではあまり持ち歩かないような鞄いっぱいのモバイルキットを披露するなど、終始和やかな雰囲気の中行なわれた。
('97/6/4)
[Reported by dome@impress.co.jp]