【デモ/インターネットテレビ】


米Navioが家電向けブラウザーTV Navigatorをデモ
NCIとの合併についても言及

■URL
http://www.navio.com/(Navio Communicationsのホームページ)

 米Netscape Communications社の子会社である、米Navio communications社は、6月4日に記者会見を行ない、インターネット家電向けのWWWブラウザー「Navio TV Navigator」を日本で初めて正式にお披露目した。TV Navigatorは、先日発表されたNECのインターネットテレビ「インタ楽tv」に採用されているものだ。TV Navigatorのデモは、N+I会場ホール7のNetscape Zoneの中のNavioブースで見ることができる。

 今回のデモに使われたのはセットトップボックス型のリファレンスモデル。CPUは133MHzのAMD486で、4メガバイトのメインメモリと、4メガバイトのFlashROMを搭載している。TV NavigatorはFlashROMに格納されており、メインメモリの2メガバイトをプログラムが使用し、残り2メガバイトをキャッシュやワークエリアとして使用する。HTML3.2をサポートしており、フレームにも対応している。TV Navigatorには、テレビのブラウン管を通してもきれいにフォントや画像を見えるようにする技術「IQView」が搭載されている。IQViewは、フリッカー処理やアンチエイリアス処理、カラーリマッピング処理などをセットトップボックス内でリアルタイム処理する技術だ。他に、地上波テレビ放送の映像信号の隙間(垂直帰線消去期間:VBI)を使ったデータ多重放送のデコード機能も持っている。Navioによれば、テレビ朝日が採用したADAMS方式にもTBSが採用したBitcast方式にもどちらにも対応が可能という。

 また、TV Navigatorはテレビを主体としていかにインターネットをプレゼンテーションしていくかについても考慮されており、家電とインターネットが一段と融合したと感じられた。たとえば、WWW上のテレビ番組表を表示させ、希望の番組をクリックすることによってチャンネルを変更したり、番組を見ながらその番組の感想をWWWでチャットするなどといったことができる。

 '96年にインターネットテレビやセットトップボックスが数社から販売されたが、日米ともに成功とはほど遠い販売実績であった。Navioでは、インターネット家電を成功させるためには、家電向けのコンテンツサービスが重要であるとし、社内にコンテンツサービス部門を設置し、米国では年内にもなんらかのサービスを開始する予定であることを明らかにした。

 また、5月19日に発表されたNavioと米Network Computer(NCI)社の合併についても言及された。現在、合併は米連邦政府の認可待ちの状態で、7月末にも認可が降りるだろうとの見通しを明らかにした。日本市場の取り組みについては、オペレーションブランチ等の設置も含めて米国での合併認可後に協議していくとしている。

('97/6/4)

[Reported by nagase@impress.co.jp]


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