【レポート】
NETWORLD+INTEROPが、他のネットワークイベントと大きく違う点をご存じだろうか。このイベントは世界7カ国で行なわれており、最新のテクノロジーを採用した「InteropNet」と呼ばれるネットワークを構築して11年前から毎年相互運用性や実用性のテストの場となっているのだ。
今回レポートする「InteropNetウォーキング・ツアー」は、NETWORLD+INTEROP 97 Tokyoの「InteropNet」を構築した「NOCチーム」と呼ばれるメンバーが、会場内に施設した「InteropNet」の仕組みや技術について解説してくれるというもの。所要時間は約1時間。1日に数回このツアーが開催されており、1回の定員は約25名だ。開始30分前から申し込み受付を開始し、人数が多い場合は抽選となる。
このツアーではまずブリーフィングルームに集合し、全体の構成などについて説明を聞く。今年はバックボーン技術にATM(OC3 155Mbps)と100Mbps-FXを採用。会場からインターネットへはメトロポリタンFDDI 100MbpsによってNSPIXP2に接続するため、スムーズなインターネットアクセスが可能になったという。幕張メッセ全館、300社以上を相互接続しており、ケーブルは約80Kmに及ぶUTPケーブルと約5Kmの光ファイバーを使用しているとのこと。よく会場を見てみると、天井には黄色やオレンジ、ブルーなど数種類のケーブルが張り巡らされている。
さていよいよ会場巡りだ。会場内にある数カ所の柱には、ネットワーク機材が納められているラック(ペッド)が置かれている。囲いの中にあるため、通常なら見過ごしてしまいそうなところだ。全部で4種類のペッドがあり、各ブースへのEthernetや100base-Tの接続などを行なう「C POD(コンセントレータペッド)」、バックボーンATM、100Base-FXをサポートする「R POD(ルータペッド)」、会場内とインターネットへの出入り口となる「E POD(エクスターナルペッド)」、R PODとC PODの仲介や出展社へのATM、Ethernet、FastEthernetでの接続を担う「SC POD(スーパーコンセクトレータペッド)」がある。その中のいくつかのペッドについて、中を見ながら簡単に説明をしてくれる。
これらのネットワークはNOC(ネットワークオペレーションセンター)でプロトコルやトラフィックの分析、構成管理、障害箇所の特定や解決などが常時行なわれる。約70名のスタッフがチームごと分かれて作業しており、このInteropNetのために先週の金曜日から連日作業が続けられているとのことだ。このほかに出展社のトラブルシューティングを受け付けるNSC(インターネット・サービスセンター)やFirstEathernet環境下で100Mネットワークのパフォーマンスを体験できるコーナー(IAC)など計8箇所を回って終了する。
このツアーは毎年行なわれているので、今年見逃した方は来年参加してみるといいだろう。
('97/6/6)
[Reported by junko@impress.co.jp]