【講演】


ソニー土井利忠取締役が基調講演

【MPEGムービー 2.7MB】

 6日、「NETWORLD+INTEROP 97 TOKYO」において、ソニー株式会社取締役土井利忠氏の基調講演が行なわれた。土井氏はソニーの取締役であると同時に情報スーパーハイウェイの標準化を目指す団体「DAVIC(Digital Audio-Visual Council)」の役員も務めている。基調講演は「21世紀のネットワーク環境」をテーマに進められた。

 土井氏は「独断と偏見で語ります」と前置きした上で「インターネット文化は21世紀社会への試金石だった」と語った。歴史的に見て過去で唯一成功した社会システムは、資本主義+議会制民主主義体制であり、社会の推進エネルギーは我欲・煩悩などエゴの追求によるものだが、もう限界に来ている。金儲けとは無縁のカウンターカルチャーそのものであった初期インターネットの世界が経済活動の場へと変化し、今では現実の社会同様限界に来ている。しかし、インターネット関連の開発者は、エゴとは別のところで「こいつは面白い!」といった「感動」を活動推進のエネルギーとしている点が従来の社会システムとは異なる新しい点だと語った。

 また、社会的インフラとしてのインターネットを考えた場合、トランスナショナル(国境のない世界)という従来にない概念に立った上で法制度を整備する必要がある、と語った。

  最後に、今後の研究の方向として「生物のしくみをネットワークにいかす研究」を進めており、「遺伝的アルゴリズムを応用し、ネットワークの中で評価の高いエージェントのみが子孫を残し進化していく」というビジョンを示し基調講演を終えた。

('97/6/6)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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