【WWW/標準化】


WWWの生みの親Tim Berners-Lee氏が初来日

W3Cが6月18日から日本で総会を開催

■URL
http://www.w3.org/
http://www.w3.mag.keio.ac.jp/

 WWWの技術標準化と利用推進を目的とする国際学術研究団体「World Wide Web国際コンソーシアム(World Wide Web Consortium : W3C)」の第6回総会が、6月18日と19日の2日間にわたって慶應大学三田キャンパスで開催される。W3C総会は半年に一度開催されているが、アジアでの開催は今回が初めて。総会では、これまで半年間の成果と、今後半年間の予定が報告される。総会の開催に伴い、W3C議長のJean-Francois Abramatic氏、技術総括責任者のTim Berners-Lee氏らが来日した。Berners-Lee氏は、ヨーロッパ粒子物理学研究所(CERN)在籍時にWWWを考案した人物で、昨今のインターネットの爆発的普及をもたらした立役者といえる。

 W3Cは'94年10月に米MIT Laboratory for Computer Science(MIT/LCS)に設立され、'95年4月にはヨーロッパの拠点として仏Institut National de Recherche en Informatique et en Automatique(INRIA)を、'96年8月にはアジアの拠点として慶應大学SFC研究所をホスト機関として迎え、現在は日米欧の3極体制で運営を行なっている。

 Abramatic氏は、W3Cの使命として「WWWをインターオペラビリティを保ちながら発展させていくこと」を第1に挙げる。現在W3Cには研究機関や企業など約180組織が会員となっており、上記3ホストが中心となってコンテンツプロバイダーやソフトウェアベンダー、ユーザーそれぞれの立場の要求を満たすべくWWWの標準化の作成作業にあたっている。標準化作業を効率化するため、大きな3つの「領域(ドメイン)」の下に18の「アクティビティー」が設けられている。3つの領域は以下の通り。

 Berners-Lee氏は、WWWの3つの夢として「HyperTextを使うことにより、個人が世界のどこにある情報でも入手できるようになり、また自ら情報を発信することもできる」、「人と人が双方向にコミュニケーションを取り、離れた場所にいても知識空間を共有して共同作業ができる」、そして「WWWを活用した新しいコミュニティーの創造」を挙げている。第3の夢の実現のためには、これから解決していかねばならない問題が数多くあるとし、W3Cを通して実現に近づけたいと述べた。

('97/6/17)

[Reported by nagase@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ


ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp