【新サービス】
IIJは、マルチキャスト技術を使ったインターネット上の配信サービス「IPマルチキャストサービス(仮称)」を年内をめどに開始すると発表した。これは、音声や動画などの番組を、依頼主に代わってインターネットに向けて放送するサービス。料金等の詳細は、現在のところ未定。
このサービスの特徴は、マルチキャストと呼ばれる技術を使っているところ。従来の配信サービスでは、発進元のサーバーから受信者へ1対1の通信が行なわれ、人数分のトラフィックが発生し、回線を混雑させていた。マルチキャストを使うと、同じ方面には1本のトラフィックしか発生しないため、回線の混雑が緩和されると言われている。学術実験ベースでは従来から「mbone」と呼ばれるマルチキャスト配信が世界規模で行なわれていたが、商業ベースでは行なわれていなかった。
サービス開始に先がけ、7月中には試験サービスとしてIIJ4U(IIJのダイアルアップ接続サービス)ユーザー相手に送信実験を開始する。ユーザーは、RealVideoやIP/TVなどマルチキャスト対応のアプリケーションを使って受信できる。IIJでは、この実験によってマルチキャストの配信や中継のノウハウを蓄積するという。
なお、マルチキャストを受信するためにはプロバイダー側でも対応が必要になるが、IIJではそういった他プロバイダーへのコンサルタント業務も請け負うとしている。
('97/6/30)
[Reported by kikuchi@impress.co.jp / masaka@impress.co.jp]