【イチオシ】


第42回レポーター: 古川泰弘氏

デジタルコンテンツを守る
情報迷彩ソフトウェア集「Steganography Info and Archive」

■URL
http://www.iquest.net/~mrmil/stego.html

 もし苦労して作った自分のホームページの画像が、勝手にコピーされて使われていたらどうするだろう? 自分のコンテンツが著作権で保護されることは知っているけど、うまく加工されると、自分でも分からなくなったりするものだ。そんなとき、それぞれの画像に、作者のメッセージが残せるなら見分けるのも簡単なはず。実は、そんなことができるソフトウェアが「Steganography Info and Archive」に集まっている。

 ここで紹介されているソフトウェアは、画像にペイントツールで文字を上書きするというような、単純なものではない。イメージとしては、「文字を画像の中に溶かし込む」といったところだろうか。いわゆる「情報迷彩(steganography)技術」というものだ。「電子透かし(watermark)」と呼ばれることもある。ちなみに、最近では「Photoshop」にもこの機能が組み込まれていたりする。

 この技術を使って画像処理しておけば、無断コピーされてしまったとしても、自分のメッセージを取りだして証拠として提示することもできるのだ。おまけに、ホームページで見ている人にも、メッセージが埋め込まれていると気付かれることはまずないと言ってもいいだろう。

 それがここにあるソフトで実現できる。Windows、Macintosh、Amigaなどのプラットフォームに対応している様々なソフトを発見できるはずだ。しかも、一部のソフトのソースコードも一緒に公開されており、中にはJavaのソースなんかもあったりする。日曜プログラマーなら、自分だけの秘密の暗号と組合わせることで、ユニークなソフトウェアを開発することもできるだろう。ただし、暗号と組合わせた場合、輸出規制の対象となることもあるので注意が必要だ。

 実際にこれらのソフトを使ってみたら、マンガ家士郎正宗の「攻殼機動隊」に出てきた「光学迷彩」という透明になる服をつい想像してしまった。もちろん服が透けてしまうわけではないが、せめてメッセージだけでも…と、ちょっぴり透明になった気分が味わえるかもしれない。

('97/7/1)

[Reported by x2600@can.bekkoame.or.jp]


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