【業界動向/暗号技術】
米RSA Data Security社は同社の暗号ソースコード(アルゴリズム)の日本RSA社に対する出荷を開始した。このソースコードは同社の暗号ソフトのユーザーが日本RSA社とソースコード閲覧のライセンス契約を結べば、日本RSA社に出向いて閲覧できる。
暗号ソースコードはRSA社の暗号技術を採用しているユーザーが何らかの障害が生じた場合に、その原因を解明するために必要となる。従来、暗号ソースコードは米国政府が輸出を制限していたため、障害が発生した場合は米国の米RSA社に出向いてソースコードを閲覧しなければならなかった。
米政府は暗号技術は軍事技術にも利用されるため輸出制限を行なっていたが、今回、米商務省が暗号産業育成のための輸出規制緩和の一環として許可された。
日本RSA社ではソースコードを日本に置くことで、同社の日本のユーザーにとって障害解明までの時間が短縮され、サポート体制の強化にもつながるものだとしている。
現在、RSAの暗号技術はクレジットカード決済用プロトコルSET1.0などに採用されている。日本においてもSET1.0に準拠したクレジットカード決済システムの構築が進んでいるが、今回のRSA社の発表はこうした日本でのRSAの技術を取り入れたシステム開発にとって利便性が上がりそうだ。
('97/7/2)
[Reported by kikuchi@impress.co.jp]