【ドメイン名】


JPNICが「実体のない団体」のOR.JPドメイン登録に警鐘
任意団体に対するドメイン名登録方針の変更を早急に検討

■URL
http://www.nic.ad.jp/index-j.html(JPNICホームページ)
http://www.nic.ad.jp/jpnic/hottopics/domain-talk.txt(Domain-Talkについて)
http://www.ascii.co.jp/pb/superascii/clubsa/index.html(スーパーアスキー友の会)

 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は7月10日、JPドメイン名の割り当てに関して一般ユーザーからの意見を聞くためのメーリングリスト「Domain-Talk」に、「『権利能力なき社団』に対するOR.JPドメインの登録について」(JPNIC-DOMAIN-TALK 1503)と題する文書を掲載した。

 同文書では、「最近、団体としての実体がないにも関わらず、ドメイン登録用に規約のみを用意したと見られる申請がJPNICに提出されるケースが発生しています。また、そのような申請を推奨するかのような文章を雑誌などで見受けることもあります。」とし、「しかし、こうした申請は、OR.JPドメインの本来の主旨とはまったくかけ離れたものです。虚偽申請の事実が明らかになった場合、JPNICは当該ドメインの登録を抹消することがあります。」「OR.JPドメインの主旨と現状をご理解いただき、今後ともルールに基づいたドメイン名申請を行っていただきますようお願いいたします」としている。

 この文書がどういう経緯で掲載されたのかJPNICに取材したところ、事の発端は株式会社アスキー発行の月刊誌「スーパーアスキー」7月号とのことだった。同誌7月号の特集「まるごとOCN」のP.143に「任意団体登録した『スーパーアスキー友の会』」というコラムがある。スーパーアスキー編集部がOCNエコノミーを導入し、「superascii.or.jp」ドメインを取得したというものだ。これに対し、6月下旬にDomain-Talkメーリングリストに、ユーザーから疑問の声が寄せられた。これを重くみたJPNICは、ドメイン名登録検討部会内で、「任意団体に対するドメイン名登録方針の変更」について早急な実施を目指して検討を始めたという。これには、従来から要望のあったジョイントベンチャーやイベント組織委員会、法人格を持たない組合組織などに対するOR.JPドメイン登録についての検討も含まれるという。検討結果については、早ければ7月中にもドラフトとして公開する予定。

 なお、スーパーアスキー編集部に取材したところ、「JPNICからはまだ話を聞いていないが、『スーパーアスキー友の会』は株式会社アスキーとは別の団体であり、会則など必要な要件も満たしており、問題があるとは思っていない。また、個人がドメインを取得するのに団体を設立する方法は、これまでにもよく見られた。現状のJPNICの運営の中では、個人が好きなドメインを取るには事実上この方法しかない」と、基本的に問題はないという認識だった。

('97/7/11)

[Reported by masaka@impress.co.jp / nagase@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp