【ニュース/EC】


SCJがICカードと「SET 1.0」を組み合わせた実験を10月より開始

12月からオンラインで「ビザ・キャッシュ」を使った決済実験も

■URL
http://www.scj.or.jp/news/970725.html

 東芝やビザ・インターナショナルら32社が参加しているコンソーシアム「スマート・コマース・ジャパン(SCJ)」は、ICカードとインターネット上のクレジット決済の統一規格「SET 1.0」を組み合わせたバーチャル・モールの実験を行なうと発表した。期間は'97年10月より半年間。

 この実験の大きな特徴は、5月末に発表された「SET 1.0」(97年6月3日号、97年6月10日号参照)をEMV仕様ICカードでも利用できるように拡張した「CCEC(チップ・カード・エレクトロニック・コマース)」を使ったICカードを使うところだ。

 通常のSETを使った決済は、パソコン側に決済するための情報を入れておくため、専用の端末(パソコン)が必要だ。それに対し「CCEC」は、ICカード側に情報を搭載することで、専用の「ICカード・リーダライタ」があれば家庭や職場のパソコンや街頭端末など場所を選ばずに決済ができる。

 今回の実験では、まずショッピングモール用のクレジットカード(SCJペルソナVISAカード)を5,000枚発行し、そのうち1,000名のモニターに専用のカードリーダーを配布。この1,000名のモニターを対象に、10月にインターネット上に開設するショッピングモール「Click&Shop」で実験を開始する。カードリーダーがないモニターは、大阪・神戸市内に30台設置される専用端末を利用することになる。ただし、5,000人すべてが専用端末を利用できるほか、カードリーダーがないモニターでも、知り合いがカードリーダーを持っていればインターネット上のショッピングも行なえる。

 次に、12月からインターネット上での電子マネー「ビザ・キャッシュ」を使った小額決済の実験を開始する。ただし、これはSCJ関連企業の社員のみを対象としたもので、数百人の規模で行なわれる。具体的には、新聞記事など検索ごとに料金を支払う「個別課金」と、一定の時間サービスに対する「時間定額課金」を採用した決済システムを使い、電子出版や電子新聞分野への適用を検証するとのことだ。「ビザ・キャッシュ」を使ったオンライン実験としては、今年の夏に開始予定のバンク・オブ・アメリカでの実験に続き、世界で2番目となる見込み。

 なお、この「ビザ・キャッシュ」は、今年10月に神戸市内、来年の6月に渋谷で予定されている「ビザ・キャッシュ」を使った電子マネー実験のものと互換性もあるとのことだ。

('97/7/25)

[Reported by junko@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当 internet-watch-info@impress.co.jp