【業界動向 / ICカード実験】
日本航空株式会社(JAL)は、10月からICカードを使った航空券販売サービスの実験を開始することを明らかにした。実験は、同社が選んだ約450名のモニターを対象に10月1日から12月14日まで実施される予定。モニターにはICカードとICカードリーダーが無料で貸し出される。
モニターの対象となるのは、「チケットレスサービス」を過去に利用したことのある顧客でインターネットを利用できる環境にあることが条件。チケットレスサービスは、インターネットを使って航空券の予約・購入ができるというもので、同社が'97年4月から開始している
モニターに選ばれると、株式会社日立製作所の提供による薄型非接触型ICカードとWindows 95搭載パソコンで使用可能なICカードリーダーが無料で貸与される。実験内容は、モニターの自宅や勤務先のパソコンにカードリーダーを設置し、ICカードを使って手軽に航空券の購入ができるというもの。また、空港カウンターに設置された専用端末での予約確認、空港内JAL施設でのおみやげ品購入割引サービスなども予定している(実験用端末が置かれるのは、羽田空港、福岡空港を予定)。ほかには、利用ごとにポイントが加算され、そのポイント数に応じた賞品がもらえるサービスも予定している。
利用者はICカードの利用により、購入の際に氏名や電話番号、申込み番号などの入力の手間が省けたり、利用に応じて集めたポイントにより特典が受けられるなどのメリットがある。また、JALにとっては顧客の囲い込みが見込める。
実際にICカードを利用したサービスの開始時期は未定だが、今後はクレジットカード会社との提携により、より機能を付加したICカードの開発も予定しているとのこと。
('97/8/28)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]