【社会運動】
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現在、インターネット上で「医療制度改悪反対キャンペーン」なる運動が巻き起こっている。健康保険から支払われていた薬剤費の一部を9月1日から患者が負担して医療機関の窓口で支払うという医療保険制度の改定。これに反対する医師たちを中心とした運動だ。
ホームページの背景を真っ黒にしたり、「Justice & Freedom Campaign」と記されたロゴイメージをページ中に貼るというこの運動。パソコン通信NIFTY SERVEの医療関連フォーラムFCASEで、整形外科医の長島公之氏が提案したのが事のはじまり。
本誌のインタービューに対し同氏は、「医療制度の根本的な解決を避け、患者に負担を押しつけるだけの一時しのぎにすぎなかったり、負担金の算定法が分かりにくく、医療現場に混乱をもたらす可能性が高い」と語る。NIFTY SERVEの一会議室の中だけでは一般市民に反対の意見が伝わらないと考えた同氏は8月21日、「インターネット規制に反対して、背景を黒にして抗議したことがあったので、医療関係のホームページが一斉に黒くなって抗議してはどうだろう」と提案。これが瞬く間に広まり、開業医を中心に80を超えるホームページが一斉に背景を黒くした。中には医師会として参加しているところもあり、その数はいずれ100を超える見通しだという。
同氏はさらに、「何かの団体の指示や命令ではなく、一個人のいわば『思いつき』に賛同された方々が、自分の自由な意志から個別的に参加され、波紋が広がるように参加者が増えていったという経過が、インターネットらしくて良かったのはないか」と付け加えた。
賛否両論、色々とあるだろうが、誰にでも関係のあることだけに、これを機に日本の医療制度について考えてみるのもいいだろう。
('97/9/10)
[Reported by yuno@impress.co.jp]