【イチオシ】


第54回レポーター: Nakatesu氏

地方紙をあなどるなかれ
記事データベースを無料で公開する「佐賀新聞社」のホームページ

■URL
http://www.saga-s.co.jp/

 今回紹介するサイトは、思い切りローカルな情報なのでみんなが皆が楽しめるというわけではないが、インターネットの楽しみ方の1つとして、読んでいただければと思う。

 私は東京で生まれ東京で育った生っ粋の都会人(?)であるが、会社に入って経験した数回の転勤で住んだ町には、特別な思い入れがあったりする。中でも就職して最初の赴任地であった佐賀は、今では行く機会がほとんどなくなってしまったが、いつまでも心に残る町である。今、何が起きているのかなぁと時々気になってしまい、関連する地域情報サイトや市の公式サイトを見てまわるというのが、私のひそかな楽しみなのである。今年からそんな楽しみを倍増してくれたのが、今回紹介する佐賀新聞社のサイトなのだ。

 「国内初のインターネット無料新聞記事データベース」といううたい文句の通り、なんと過去5年間の掲載記事のうち外電を除いたものはすべて無料でキーワード検索できる。最初にこのデータベースを見つけた時、心を躍らせながら自分の会社名を打ち込んでみた。結果は期待通り。さすが地方紙。全国紙では絶対扱うことはない「ちょっとした出来事」でいっぱいだ。例えば、職域対抗の草野球大会で昔の職場の仲間が活躍してたりとか、自分のよき指導者であった大先輩が写真展で入賞してたりとか…。

 他にも地区名を入れて思い切りローカルな情報を仕入れたりして、かつての職場に仕事で電話するついでに「○○さんの家の近くの小学校、最近建て替えたでしょう?」などと知識を披露してビックリされたりとかで、再び思い出の町と関わりができたような気がして、それからもちょくちょく訪れては町の出来事を見ている。もちろん、ローカル情報以外の全国記事も当然検索可能だから、大きな事件などを調べたいときは気軽に使えてよい。

 こうした新聞記事のデータベースは仕事ではよく使っているが、急いでいるのになかなか目的の記事が出てこなくてイライラしたり、記事が多くなって課金が膨大になってしまったりと、便利ではあるが仕事以外ではあまり使う気がしなかった。しかし、この佐賀新聞のように無料だと、課金を気にせず、気楽にいろいろな面白い使い方ができて楽しい。故郷の情報をいつでも見ることができるし、祭りや花火大会の予定も記事にさえなっていればバッチリ検索可能だから、これを見て旅行のスケジュールをたてるのもよいだろう。また、出張などで訪れる町の情報を仕入れておけば、何かと話題に困ることもないだろう。

 ちなみに、佐賀新聞社は自分でプロバイダもやってたりと、インターネットに結構力を注いでいる。確かにこういったサービスを無料で提供するというのは大変な事だと思うし、どこでもできるということではないだろう。それでも、それをやってしまった佐賀新聞社には拍手をおくりたい。

('97/9/22)

[Reported by Nakatetsu]


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