【イベントレポート/Microsoft PDC】
Microsoftは26日、PDC(Professional Developers Conference)のGeneral Sessionの中でVisual Studioのロードマップを発表し、次期Visual Studioの“Aspen”(コードネーム)で、Dynamic HTML(DHTML)のオーサリングを全面的にサポートすることを明らかにした。このAspenは'98年の前半にリリースされる予定であることも同時に発表した。
23日から行なわれていたPDCで発表したWindows DNAアーキテクチャでは、DHTMLをユーザーインターフェイスの中核に据えていたが、肝心のDHTMLのオーサリング環境については未発表だった。
Aspenでは、Visual Basicのようにオブジェクトを配置するだけでDHTMLを作成できる「RADツール」としの機能を持つ。またDHTMLを支える「スクリプト」に対してブレークポイントを設定したり、関数や変数の値を参照したりするといったデバッガ機能も持っている。スクリプトとJavaなどのWebオブジェクトの中をシームレスにデバッグするといった一貫した開発も可能となっている。また、スクリプトをオブジェクト化して再利用可能にするScriptletにも対応している。
このAspenの機能の一部は、Service Packとして先に提供される。さらに、'99年には“Rainier”と呼ばれる次のVisual Studioを計画していることも発表。こちらは、COM+などをサポートする予定。
同時に、C++などで作成した通常のWindowsアプリケーションの中でDHTMLを利用できるようにすることも発表した。つまり、ユーザーインターフェイスをDHTMLで記述しておけば、必要に応じてWebページにしたり、Windowsアプリケーションにすることも可能というわけだ。このために、IEコンポーネントをオブジェクトして提供する。すでに、ActiveXコンポーネントとしてIEを他のアプリケーションから利用することができたが、オブジェクト化することでより軽快に利用することが可能で、たとえば電子メールアプリケーションでHTMLをサポートする際などに非常に便利になるだろう。もちろんDHTMLの上にC++の機能を利用することで、Webよりもより自由度の高いアプリケーションを作成することもできる。
このように、次期Visual Studioは、いくつかの新たなプログラミング機構を取り込みながら、ユーザーインターフェイス側ではDHTMLを中心に置いたと言える構成になっており、Microsoft社のDHTMLへのただならぬ意気込みが感じられる。
('97/9/27)
[Reported by ken@impress.co.jp]