【特集】
インターネットで美術館情報を収集しよう
季節も秋になり、休日は美術館でも行ってみようか、という人も多いのではないだろうか。今回の特集では、実際に美術館に行く前に役に立ちそうなサイトを集めてみた。どのサイトも所蔵コレクションの紹介や交通情報を掲載しているので、事前に知っていると便利だ。WWW上で気に入った作品が見つかったら、是非、美術館に足を運び本物に触れてみよう。
●編集部のおすすめ
ここでは、実際の美術館のすばらしさもさることながら、サイトのほうも充実しているところを編集部のおすすめとして紹介したい。詳細な資料が掲載されていたり、VRMLで疑似体験ができるサイトなど、どのサイトも充実している。
■「arc en ciel」 原美術館
http://www.haramuseum.or.jp/
東京は原美術館のサイト。現代美術専門の美術館らしくサイトのほうもモダンな作りだ。ここでの注目は「3DWalkthru」のコーナー。「Cosmo Player」を使って3Dで再現された館内を歩きまわることができる。バウハウス様式の建築物はもちろん、中にはちゃんと作品まで展示されており、編集部イチオシのサイトだ。
■「NTT InterCommunication Center」
http://www.ntticc.or.jp/menu_j.html
デジタルとアートを融合させたセンター「InterCommunication Center(ICC)」のサイト。館内の「電子図書館」では、インターネットを利用したオリジナルのアーティストデータベースを利用できる。サイトでは、過去に開催されたワークショップなどの画像を交えた詳しい解説付きで見ることができる。
■「Bienvenue sur le serveur Louvre」 ルーブル美術館
http://www.louvre.fr/
http://www.louvre.or.jp/japonais.htm (日本語)
'95年7月に開設された、フランスのルーブル美術館のサイト。日本語のページも用意されており、現在工事中の「大ルーヴル(Grand Louvre)整備」プロジェクトについても日本語で読むことができる。また収蔵コレクションも「古代エジプト美術」「グラフィック・アート」など分類されており作品の一部を見ることができる。総合的によくできたサイトだ。
■「The Art Institute of Chicago」 シカゴ美術館
http://www.artic.edu/aic/
10部門、30万点以上の収蔵品を誇る。エドワード・ホッパーやグラント・ウッドなどアメリカ絵画の傑作は必見の作品だ。スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の前では誰もが長時間立ち止まる。ピカソやカルダーの彫刻が街中に点在する野外ギャラリー都市、シカゴ自慢の美術館だ。コレクションのページも充実。
●国内
ホームページを開設している国内の美術館を集めてみた。収蔵作品のデータベースを作成したり、館内の様子を「QuickTime」で再現したりと各サイトとも力が入っている。また、現代美術系の美術館に凝った作りのサイトが多いのが特徴だ。
■世田谷美術館
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
現在実施中の企画展示の紹介はもちろん、施設自体の紹介も凝っている世田谷美術館のサイト。「ムンク展」など今年行なわれた企画展示の概要もバックナンバーとして掲載されている。
■東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/index-jpn.html
このサイトでは、なんといっても「展覧会情報一覧」が充実している。これは、現在行なわれている展示会についてインターネット上で情報発信しているサイトへのリンク集。地域別館名リンク集も充実だ。
■ワタリウム美術館
http://www.cyber-bp.or.jp/watarium/
コンテンポラリーアートのワタリウム美術館。サイトでは開催中の企画展示の紹介のほか、館内のミュージアムショップ「on Sundays」のコーナーでは販売しているポストカードを見ることができる。オンラインでの注文も可能。
■国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/index-j.html
新展示場「21世紀ギャラリー(仮称)」の建設工事に伴い、'98年春まで休館中の国立西洋美術館。サイトでは収蔵作品32点を解説付きで見ることができる。
■サントリー美術館
http://suntory.dec-j.co.jp/sma/index.html
赤坂にあるサントリー美術館のサイト。ここでは、「所蔵の名品シリーズ」として毎月名品(日本古来の美術・ 工芸品中心)を紹介している。バックナンバーもあり。
■根津美術館
http://www.nezu-museum.minato.tokyo.jp/
東洋古美術品中心の根津美術館。サイトでは、「収蔵品データベース」が用意されており常設展示していない作品を見ることができる。ただし、現在は絵画の部門のみ。今後充実させていくとのことなので、将来的に楽しみなサイトだ。
■安田火災東郷青児美術館
http://www.yasuda.co.jp/museum/museum_title.html
ゴッホの「ひまわり」を収蔵していることでも知られる安田火災東郷青児美術館。このサイトでは、展示スケジュールのほか、東郷青児の作品56点が掲載されている。
■東京都現代美術館
http://www.via.or.jp/~imnet/mot/index.html
最近はテレビCMも放映中の東京都現代美術館。ここでは、館内の様子を写真で紹介している。美術図書室が充実した施設だが、目録等の詳細は掲載されていない。
■東京都写真美術館
http://www.tokyo-photo-museum.or.jp/index.html
恵比寿ガーデンプレイス内にある、国内唯一の写真専門美術館。サイトでは企画/常設展示スケジュールのほか、数は少ないが収蔵作品の一部を公開している。
■彫刻の森美術館
http://www.hakone-oam.or.jp/
フジテレビで深夜に繰り返し流れるCMでおなじみの「箱根 彫刻の森美術館」だ。サイトでは、展示作品がダイジェストで紹介されているほか、「トンボビュー」のコーナーではライブカメラにより館内の様子を見ることができる。
■横浜美術館
http://www.art-museum.city.yokohama.jp/
このサイトでは、横浜美術館ニュース「RGB」を見ることができる。最新号では「美術館とインターネット」といった興味深い記事を読める。そのほか、デジタルマガジンコーナーを設けるなど、読み物が充実したサイトだ。
■川崎市民ミュージアム
http://www.dnp.co.jp/museum/kawa/jhome.html
渋いセレクションの映画を上映することでも知られる川崎市民ミュージアム。案内サイトでは企画展示や映画上映の告知のほか、担当学芸員のコメントも読むことができる。
■水戸芸術館
http://www.soum.co.jp/mito/atm-j.html
坂本龍一氏とグラフィックアーティスト岩井俊雄氏のインターネットを使ったコラボレーションライブの会場にもなっていた水戸芸術館のサイト。'97年12月にもインターネットライブが予定されている。ページでは、企画展示スケジュールのほか過去の来場者アンケートの一部も見ることができる。
■徳川美術館
http://cjn.meitetsu.co.jp/tokugawa/index-j.html
名古屋にある日本で3番目に古い私設美術館だという徳川美術館のサイト。徳川家康所用の鎧などの画像を見ることができる。またVRMLを利用したページも用意されている。
■京都国立近代美術館
http://www.momak.go.jp/
このサイトでは、企画/常設展の紹介のほか、交通ガイドなどが掲載されている。また、'63年以降の展示会暦を掲載している。残念ながら収蔵作品の画像は掲載されていない。
■国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
今年開館20周年を迎える大阪の国立国際美術館のサイト。所蔵作品リストの一部を掲載しているが残念ながら画像データは載っていない。ほかには、図録販売の案内が載っている。なお、施設の近くには岡本太郎氏作の「太陽の塔」があるそうだ。
■奈良国立文化財研究所飛鳥資料館
http://www.cgc.co.jp/ASUKA/
奈良県ならではの遺跡や遺物関連の資料館。ここの「バーチャルミュージアムショップ」では、合成樹脂による古代石像のレプリカを販売している。
■大原美術館
http://iwe.kusa.ac.jp/OHARA/om_op.html
倉敷にある大原美術館のサイト。日本で最初の西洋近代美術館として倉敷の文化活動の中心地となっているとのこと。「QuickTime VR」による館内案内や、コレクション案内も多く総合的に充実したサイトだ。
●ヨーロッパ
歴史もあり数も多いヨーロッパ各国の美術館。ジャンルも古典からコンテンポラリーまでさまざまだ。サイトを見ているだけでも楽しいが、開館/閉館時間の記載はもちろん、周辺地図を載せたサイトも多いので、実際に訪れる予定のある人に役立ちそうだ。
■「Museums of Paris」 パリの美術館情報
http://www.paris.org/Musees/
オルセー美術館やパリ市立近代美術館などパリにある美術館の情報サイト。英語とフランス語で、各美術館の開館/閉館時間や展示物などの情報を掲載している。
■「MUSEI DI ROMA」 ローマの美術館情報
http://www.roma2000.it/musvat.html
ローマにある美術館情報のサイト。バチカン美術館などについて、収蔵作品の一部や周辺地図で紹介している。地図はレストラン情報なども載っているので観光情報としても使えそうだ。
■「National Museums of Scotland」 スコットランドの美術館情報
http://www.nms.ac.uk/
スコットランドにある美術館/博物館情報を掲載したサイト。「The Royal Museum of Scotland」などのほか、'98年オープン予定の「The Museum of Scotland」についての情報も載っている。
■「Centre George Pompidou」 ポンピドー・センター
http://www.cnac-gp.fr/
パリにある現代美術館。目を見張る展示品もさることながら、ガラスとスチールやカラフルなパイプから成るセンターの建物自体も現代美術になっている。サイトではサイズは小さいがコレクションの一部を見ることができる。
■「ARS ELECTRONICA CENTER」 アルスエレクトロニカセンター
http://www.aec.at/
オーストリアのリンツにある総合メディアアートミュージアム「ARS ELECTRONICA CENTER」のサイト。コンピュータアート作品のコンテスト「Prix Arts Electronica」を主催しておりWWW上で受賞作品を見ることができる。
■「The State Hermitage Museum」 エルミタージュ美術館
http://www.hermitage.ru/
ロシアが誇るエルミタージュ美術館のサイト。収蔵コレクションや最新ニュースを紹介している。ロシア語のほか英語のページも用意されている。'98年のカレンダーもオンラインで販売している。
■「The Pushkin Museum of Fine Arts」 プーシュキン美術館
http://www.global-one.ru/english/culture/pushkin/
モスクワにあるプーシュキン美術館。古典芸術を主に一流の作品をそろえており、インターネット上でも公開している。
●アメリカ
1日ではとても回り切れない「MOMA」など、大規模な美術館の多いアメリカ。ここでは、そんな美術館から、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルの美術館まで主なものを集めた。
■「The Museum of Modern Art」 ニューヨーク近代美術館
http://www.moma.org/
「MOMA」の通称で知られる、20世紀アートのあらゆる分野の作品を展示している美術館。10万点を超えるコレクションを誇り、ミュージアムグッズも人気が高い。写真やフィルムの展示情報も充実している。
■「The Metropolitan Museum of Art」 メトロポリタン美術館
http://www.metmuseum.org/
ニューヨークにある、全米最大規模の美術館。イギリスの大英博物館、フランスのルーブル美術館と並んで世界三大ミュージアムといわれる。収蔵品200万点のうち、30万点を常設展示している。サイトではメンバーを対象にオンラインでミュージアムグッズを販売している。
■「Whitney Museum of American Art」 ホイットニー美術館
http://www.echonyc.com/~whitney/
ニューヨークにあるホイットニー美術館。現代アメリカ美術を集めている美術館で、「Exhibitions」のコーナーでは、今月まで展示されているキース・へリングの作品などを見ることができる。
■「The Andy Warhol Museum」 アンディ・ウォーホル美術館
http://www.warhol.org/warhol/
ウォーホルといえばニューヨークのイメージだが、出身はピッツバーグ。初期の作品から亡くなるまでの作品約3,000点を収蔵。サイトではシルクスクリーンの作品はもちろん、実験的な作風で知られる映画の公開スケジュールまで掲載している。
■「Museum of Fine Arts,Boston」 ボストン美術館
http://www.mfa.org/
全世界の美術史を集約したような美術館。日本美術のコレクションは有名で、日本でも見られないようなものが見られる。浮世絵のコレクションは5万点。サイトでは企画展示の概要が紹介されている。
■「The Nelson-Atkins Museum of Art」 ネルソン・アトキンズ美術館
http://www.nelson-atkins.org/
ミズーリ州カンザスシティにある美術館。日本ではあまり知られていないが、東洋美術とくに中国美術のコレクションは全米有数。サイトでは収蔵品の一部を見ることができる。
■「Guggenheim Museum」 グッゲンハイム美術館
http://www.guggenheim.org/
「かたつむり」のような建物が印象的なグッゲンハイム美術館のサイト。ここでは、SOHOの別館も含めて企画展示などの案内を掲載している。「Exhibitions」のコーナーでは展示作品の一部を見ることができる。
■「Carnegie Museum of Art」 カーネギー美術館
http://www.clpgh.org/cma/
ペンシルバニア州ピッツバーグにある、芸術施設複合体「The Carnegie」のひとつ。全米でも有数の印象派コレクションをもつ。
●その他の地域
アジア、南米などの地域から主な美術館のサイト、または、美術館の案内サイトを集めた。
■「Israel Museum」 イスラエル美術館
http://www.imj.org.il/
エルサレムにあるイスラエル美術館。企画展の告知などを簡単な画像付きで案内している。絵画だけではなく音楽、映画と幅広く利用されている美術館だ。
■「National Heritage Board」 シンガポールの美術館案内
http://www.museum.org.sg/nhb.html
「Singapole History Museum」や「Singapole Art Museum」などシンガポールにある美術館/博物館を案内しているサイト。展示会の案内などを掲載しており、画像も美しいページだがグラフィックが重たいのが難。
■「MUSEUMS OF MOROCCO」 モロッコの美術館案内
http://www.maroc.net/museums/rabat2.html
モロッコにある美術館の案内サイト。「Museum of Moroccan Arts」や「Museum of Antiquities」など20の美術館について展示の案内や代表所蔵品を掲載している。
■「Museo De Arte Moderno」 メキシコ国立近代美術館
http://www.arts-history.mx/museos/mam/home.html
「Coleccion」のコーナーでは、収蔵品の一部を画像で見ることができる。スペイン語のサイトだが、英語のページも現在作成中。
●リンク集
もっといろんな美術館サイトを見てみたい、という人はリンク集から探してみよう。
■「Museum Information Japan」
http://www.dnp.co.jp/museum/icc-j.html
美術館メディア研究会によるリンク集。国内美術館サイトへのリンクのほか、世界各国の美術館サイトへのリンク「Museum Information of the World」も充実している。オンラインマガジン「nmp」も充実。
■「ACROSS 世界美術館めぐり」
http://www.across.or.jp/c/c19/index.html
日本を始め、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの世界各国の美術館サイトのほか、テーマ別、アーティスト別のリンク集も充実している。
■「INTERNET YELLOW PAGES Encyclopedia」
http://home.impress.co.jp/magazine/inetmag/yellowpg/art/index.htm
雑誌「インターネットマガジン」がWWW上で公開しているイエローページの「ART」の項目より。美術館だけでなく、アートとアーティスト、写真についてのリンクも充実している。
[Reported by okiyama@impress.co.jp / yamagu-k@impress.co.jp / tatekawa@planet.club.or.jp]
('97/9/26)
【INTERNET Watchホームページ】
ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp