【業界動向/電子決済】


同時に年末にも共同で実証実験を開始すると発表

都市銀行などが電子決済方法を共通化することで合意

 富士銀行、三和銀行、住友銀行の3行とNTT、日立製作所、NECはインターネットでの電子決済方法を共通化することで合意した。これに基づき、共同で実証実験を行なう。

 共通化される決済仕様は、今年9月に日立製作所、NECなどSECE研究会で策定された銀行取引プロトコル「SECE V1.0」(本誌'97年9月9日号参照)。実験はNTTグループ「G-Square」、日立「netSpace」、NEC「VMALL」の各モール内での代金決済を各銀行の預金口座から自動的に行なうもの。まず、年末をめどに、富士銀行と三和銀行がG-Square内で高島屋と共同で実証実験を行なう。また来年春をめどに住友銀行も参加し、VMALL内で実証実験を行なう予定。

 インターネット電子決済実験では、これまで富士銀行が日立製作所、住友銀行がNECなど、それぞれ独自に実験を行なっていた。しかし一方で、SECE研究会には都市銀行11行も参加し、電子決済使用の標準化も進めていた。今回の共通化の理由について3行では、各行個別のシステムでは利用者が限定されてしまうこと。SECE V1.0がSETに基づく仕様のため、これまでSETに基づいて開発したものであれば、比較的簡単なバージョンアップで対応できることをあげている。

 SECE研究会には前記3行のほか、東京三菱銀行、さくら銀行、あさひ銀行なども参加、またアメリカン・エキスプレス・インターナショナル、JCB、日本信販などクレジット会社12社も参加しており、今後、SECE V1.0を基にした電子決済システムが増え、一挙に業界標準となることも予想される。

('97/9/29)

[Reported by kikuchi@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp