【ソフトウェア/レビュー】
■URL
http://www.microsoft.com/japan/ie/
マイクロソフト株式会社は10月1日、予告通りWindows 95/NT 4.0用の「Internet Explorer 4.0」日本語正式版をリリースした。編集部でも、早速ダウンロードして試してみた。
前バージョンのPreview 2(本誌7月17日号参照)同様、上記のWWWページからセットアッププログラム(428KB)をダウンロードした後、それを起動してプログラム本体のインストールを実行する。
セットアッププログラムを実行すると、「ブラウザーのみ(13.3MB)」、「標準(16.3MB)」、「完全(25.5MB)」の3種類が自由に選択できるようになっている。また、インストール方法も、直接ネットワークインストールする方法と、一旦ダウンロードした後でインストールする方法の2種類が選べる。
「Outlook Express」など、個々のコンポーネントは後から1つずつインストールすることも可能([ヘルプ] - [製品更新]を選択)で、公開直後でサーバーが込み合っているので、とりあえず「ブラウザーのみ」のバージョンをダウンロードするのが得策だ。
また、サイズが大きすぎて、ダイヤルアップなら間違いなく数時間はかかる。そこで、ダウンロードするのが嫌というユーザー向けに、電話かFAXでCD-ROMを入手できる「CD On Call」というサービスも10月末まで実施されている。ただし、実費1,000円(税別・クレジットカード決済のみ)が必要となる。同社によると、送付は10月中旬以降になる見込み。
なお、10月29日発売の「インターネットマガジン」「DOS/V POWER REPORT」「PC DECO」などにも収録される予定だ。
編集部で試してみたところ、前バージョンと比べて表示がかなり高速化されているように感じられた。複雑な表組みなども素早く表示される。
なお、以前に見つかっていたJava VMやJavaScript関連のセキュリティホール(本誌8月13日号、9月5日号参照)も、今回の正式版では修正されている。
ただ、しばらく利用しているうちにリソースがどんどん少なくなり、そのうちエクスプローラもろとも落ちてしまうという不具合は、ほとんど改善されていない。特にJavaアプレットを利用したページでは、それが顕著になる。
期待されているわりに、いまいち使えないのがActiveChannel。コンテンツが出揃っていないということもあるが、結局のところ、各コンテンツへの入り口がダイナミックHTMLを使った派手なものに代わっただけのように思える。カラフルで動きのあるのは確かに魅力的だが、スクリプトを実行するため、表示されるまでに時間がかかるようになった。
なお、Lycosによるチャンネルガイドが日本語化されている。ただし、まだトップレベルのものしか登録されていない。
また、ダイナミックHTMLについては、2大ブラウザー間に互換性がないのが大きな問題だ。WWWにアニメーション効果を追加したいだけなら、両方のブラウザーで見ることができるMacromedia Flashを利用するのが現実的と言えるだろう。
IE4の一番の目玉は、Windows 98を先取りしたOSとWWWブラウザーのインテグレーションにある。
フォルダの展開やアプリケーションの起動については、前バージョンではシングルクリックにデフォルト設定されていた(ダブルクリックにも変更可能)。これに対し、正式版ではデフォルト設定がダブルクリックに戻された。もちろん、シングルクリックにも設定可能だが、同社の試行錯誤がうかがえる。
また、スタートメニューへの登録数が増えたとき、これまでリストが多段表示されていたのが一段になり、ポインターを上端や下端のマークに合わせることでスクロール表示されるようになっている。
実用的だと感じたのは、フォルダをオープンしていき、HTMLファイルや画像ファイルを選択すると、そのプレビューが左側に表示されるようになったところ。ローカルでホームページのメンテナンスをする場合に便利だ。
WWWブラウザーやOSのインターフェイスのほかに、付属のメールソフト「Outlook Express」もかなり使いやすくなっている。
まず、メール作成時。URLのオートコンプリート機能がメールアドレスでも使えるようになった。アドレス帳に登録されているユーザーなら、メールアドレスかニックネームを途中まで入力するだけでよい。このほか、本文の先頭に半角スペースが挿入されたり、フォントの設定がおかしくなったりする不具合もなくなった。
さらに、検索機能もパワーアップしている。前バージョンでは1つのフォルダしか検索範囲にできなかったが、今バージョンでは全フォルダを検索対象にすることができるようになった。検索結果の表示も、ファイル検索時のようなスタイルになり、目的のメールが取り出しやすい。
また、メールが届いたとき、振り分け先のフォルダのスレッドが自動的に展開されるようになっている。
ただし、標準の設定でHTML形式のメールを送るようになっている点は以前のままで、初めて使うユーザーは必要に応じて設定を変更する必要がある。
面白いことに、追加コンポーネントの「Internet Explorerサウンドパック」をインストールすれば、リンク先に飛ぼうとアンカーをクリックする度に「カチッ」「ポン」と効果音がするようになる。この効果音はローカルでフォルダを展開する際にも再現される。
なお、細かいところでは、同ソフト関連のアイコンのデザインも変更されている。
('97/10/1)
[Reported by yuno@impress.co.jp]