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http://www.gte.com/g/news/mcibid.html
米国の地域系電話会社GTEは、10月15日、同じく米国の長距離電話会社MCIの買収に乗り出す意向を明らかにした。GTEでは総額280億ドルまたは一株あたり40ドルの現金を条件として提示している。
MCIではもともと、英British Telecom(BT)社による買収の話が進んでおり、8月には米連邦通信委員会(FCC)による承認も受けていた。しかし、直後にMCIの財務状態を理由に条件見直し交渉が始まった(本誌8月25日号参照)。そのさなか、10月には米WorldCom社がMCIに、BTより額の高い300億ドルでの買収を提案している(本誌10月3日号参照)。
3社を比べると、額面の一番高いのはWorldCommだが、これは株式交換の形であるため、リスクを考えるとGTEも条件は悪くない。一方、額面が低いのはBTだが、MCIとは共同で通信事業「Concert」を運営しており、事業面でのつきあいやメリットはある。MCIにとってはいずれも捨てがたい状況で、いわば3者にプロポーズされた状態だ。
ここのところ、米通信法の改正もあって、電話・通信会社相互や、ネットワーク会社などの合併や買収が世界的に目立つようになってきた。日本でもNTTやKDDの規制緩和がなされ、いずれなんらかの影響が起こらないとは限らない。
('97/10/20)
[Reported by Hiroyuki Et-OH / 金丸雄一 / masaka@impress.co.jp]