【業界動向】

RSA社の暗号解読コンテストで「56bit RC5」が破られる

■URL
http://www.rsa.com/pressbox/html/971022.html
http://rc5.distributed.net/ (Bovineチーム)

 米RSA Data Security社は、同社が主催する暗号解読コンテスト「The RSA Data Security Secret-Key Challenge」において56bit RC5による暗号を解読したグループが現われたと発表した。

 同コンテストでは、過去に56bit DES(Data Encryption Standard)による暗号が解読されている(本誌'97年6月20日号参照)。RC5は、使用目的に合わせて鍵の長さを変えられるのが特徴で、同社ではDESよりも強力な暗号技術だとしていた。

 56bit RC5を解読したのは、4,000ものチームで構成された「Bovine RC5 Effort」というプログラマー集団。インターネットに接続した15,000~30,000台のコンピュータを使い、約200日間連続で作業を続け、約72,000兆通りのうち47%ほどを試したところで「It is time to move to a longer key length」とのメッセージを読み取ることができたとのこと。なお、最終的に解読に成功したのは、Pentium Pro 200MHzのCPUを搭載したWindows NTマシンだったという。

 現在、米国政府で国外輸出を許可しているのは56bit以下の暗号鍵となっているが(銀行との取引に限り128bit鍵の輸出可能)、同社では、56bitの暗号鍵は安全面や柔軟性の面から国際標準としてふさわしくないとして、「128bit RC5」を標準とするべきとしている。RSA社長のJames Bidzos氏は、56bit RC5の解読について「喜ばしいこと」としており、「普通のデスクトップパソコンでも組織的な作業によって暗号を破ることができるということは、短い鍵(56bit)の暗号が安全に利用できる期間がもう限られているということだ」としている。

('97/10/24)

[Reported by okiyama@impress.co.jp / Hiroyuki Et-OH / saori@earthlink.net ]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp