【業界動向】

インターネットFAX研究会がスケジュールを発表

国内の研究グループがインターネットFAXの標準案を'98年初頭にIETFに提出

■URL
http://www.ifax.or.jp/ (インターネットFAX研究会)
http://www.imc.org/ietf-fax/ (Internet Mail Consortium)

 インターネットFAX研究会は11月6日に都内で開催された講演会で、インターネットFAXの標準案を'98年初頭にIETF(Internet Engineering Task Force)に提出すると発表した。インターネットFAX研究会は、インターネット技術とFAX技術の融合、普及を目的として'97年6月に発足した。会長は東京工業大学大学院講師の大野浩之氏。FAXメーカーやインターネット関連の技術者を中心に現在約300名の会員が在籍している。

 インターネットFAXは、インターネット電話と同様に長距離通信や国際通信の際に費用が削減できるほか、送信時にメールアドレスを指定しFAXからパソコンへ文書を送信するといった利用が可能だ。製品としては、すでに松下電送株式会社からLAN直結型インターネットFAX装置「FreePort i66」が発売されている(本誌'96年12月24日号参照)。しかし、技術が標準化されていないことから異なる機種同士ではインターネットを使った送受信ができないなどの問題があった。インターネットFAX研究会では標準化に向けての研究を進めており、今回'98年初頭にIETFへ標準案を提出することにした。

 講演会は同団体の主催により会員を対象に実施され、講師としてIETFでインターネットFAX標準化グループのチェアマンを勤めるDave Crocker氏とインターネットFAX研究会の顧問でもある慶應義塾大学教授の村井純氏が招かれた。講演でDave Crocker氏は、ITU(International Telecommunications Union)により標準化されたFAX技術と、IETFによって標準化が図られた電子メール技術の双方の標準案策定までの手順の違いをあげ、「インターネットFAXの標準化を進めるには双方が妥協して案を固めていく必要がある」と語った。また、村井教授は「日本はFAX技術に関する貢献が大きい」として日本側からインターネットFAXの標準化に関する案を提出することの重要性を語った。

('97/11/6)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]



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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp