国立国会図書館館長の諮問機関である納本制度調査会は、インターネットなどのネットワークを使ったコンテンツを、納本制度の対象外とすると中間報告した。納本制度調査会では、21世紀を前にして、納本制度の在り方はどうあるべきか、納入に関する制度や運用について検討している。
今回発表された資料によると、電子出版物をいつでも書き換えや消去が可能な「ネットワーク系(オンライン雑誌、オンラインデータベース、電子掲示板、ホームページなど)」と、内容が何らかの媒体に固定された形で発行する「パッケージ系(CD-ROM、DVD、フロッピーディスク、ゲームソフトなど)」に分けて、それぞれれを納本制度の対象するかどうかについて検討。「ネットワーク系」の場合、形の上で「発行者」にあたるプロバイダーに納入の義務を課すのは困難であることや、そもそも納入のために「固定」することを義務づけるほどの理由はないことなどから、納本制度の対象外とした。それに対して「パッケージ系」は、著作者・発行者などの自由意思により、当初から内容が何らかの媒体に「固定」された形で発行されるため、納本制度に組み込むことが適当であるとしている。
今後、インターネットなどに対する表現の自由の問題や、収集に関わる経済性の問題などが解決される可能性がある場合、ネットワーク系の納入について改めて検討するとしている。
なお、納本制度調査会では、中間報告で十分に検討できなかった、電子出版物の保存や利用をめぐる諸問題などについて、来年の春頃までに最終報告をまとめる予定とのことだ。
◎問い合わせ先
国会図書館 収集部
TEL 03-3581-2331(代表)
('97/12/1)
[Reported by junko@impress.co.jp]