【業界動向】

Microsoftが控訴
Hewlett-Packardは従来通りIEをバンドル

■URL
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1997/Dec97/12-15doj.htm

 Microsoft社のWilliam H. Neukom上級副社長は15日、記者会見し、ワシントン連邦地裁が同社に命じた、パソコンメーカーへのWindows 95とInternet Explorer(IE)の一括購入強要の中止(本誌12月15日号参照)について、「重大な誤りがある」として同日、ワシントン連邦高裁に控訴したと発表した。

 同氏は、「裁判所が司法省の訴えにないことまで取り上げ、抗弁の機会を与えないまま中止命令を出したのは不当だ」と訴えた。また、「裁判所は'95年の判決に対して違反しているという司法省の訴えが退けられた時点で裁判は終わるべき」で、中止命令は行き過ぎであるとの見解を示した。

 一方で、同社は控訴期間中、中止命令に従うことを表明。これまで通り、IE搭載のWindows 95の販売を継続するが、IEを組み込まないバージョンも並行して供給するとしている。同社はWindows 95の提供について各パソコンメーカーに対し、現行のIEを統合したバージョン、IE関連のファイルを削除したバージョン、'95年に出荷開始された時点の初期バージョンの3つの選択肢を用意する。

 また、次期OSのWindows 98については「予定通り来年第2四半期に発売する」(英語版)とした上で、「Windows 98に関するライセンスのあり方に変化を持たせるかどうかは訴訟の成り行き次第」とし、裁判の結果次第では、IEを組み込まないバージョンを提供する可能性も示唆した。

 こうした司法省とMicrosoftの争いが続き、新たな悩みを抱えることとなったパソコンメーカー各社。バンドルするOSの形態が宙に浮いた形では出荷もままならない。Hewlett-Packard社はそんな最中、従来通りIEをバンドルすることを決めた。同社は、IEかNetscape Navigatorのいずれかを顧客に自由に選択させていることもあり、「地裁による中止命令はPC販売形態になんら影響を与えない」としている。

('97/12/16)

[Reported by yuno@impress.co.jp / 永田順伸]


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