【業界動向】

参加モニターとプロバイダーを募集

NTTが「xDSL」技術のフィールド実験を'98年2月から開始

■URL
http://www.ansl.tecl.ntt.co.jp/xdsl/

 日本電信電話株式会社(NTT)は、既存の電話線を使った高速通信が可能な「xDSL(x Digital Subscriber Line)」技術のフィールド実験を開始すると発表した。実験は、関東(東京、神奈川、千葉、茨城)・関西(大阪)の一部地域で実施する。実験回線数は250回線程度で、期間は'98年2月20日から12月10日まで。なお、実験に参加するモニターおよびプロバイダーを12月19日から募集開始する。

 今回、実験されるのは、上りと下りで伝送速度が非対称の「ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)」と伝送速度が対称の「SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line)」の2種類。ADSLについては、従来からNTTアクセス網研究所の構内で実証実験(本誌'97年6月2日号参照)が繰り返されていたが、伝送速度やエリアの適用条件の評価などについて、より詳細なデータの収集が必要との判断から実際の電話加入者線を利用した実験を実施することになった。研究所構内の環境と異なり、通常使用している加入電話線を利用して行なわれるので、商用化への可能性を探る実験としては最適なものとなる。

 実験に参加するプロバイダーは、NTT交換センター内に設置されたxDSL装置に接続する必要があるが、実験地域内でもNTT交換センター内の設備状況などにより参加できない場合があるとのこと。また、参加条件などについて合意に達した事業者については、確定しだいホームページに掲載していく。

 モニターの参加条件は、NTTの加入電話(アナログ回線)の契約者であること。実験に必要なxDSL装置はNTT側から提供され、費用は通常の電話料金と契約プロバイダーへの接続料以外は不要。モニターは、ADSLかSDSLのいずれかの実験に参加できるが選択はできず、NTTからどちらかを指定される。なお、実験期間中には、通信品質/サービス性を評価するためのアンケート等に答える必要がある。

 NTTでは、このフィールド実験結果の評価によっては、実験期間終了を待たずに商用化へ踏み切る可能性もありうるとしている。

◎問い合わせ先
xDSLフィールド実験事務局(NTTアクセス網研究所内)
TEL 0298-52-9787
FAX 0298-50-3694

('97/12/18)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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