【業界動向】

次期「Netscape Communicator 5.0」のソースコード公開も発表

ネットスケープ社が「Netscape Navigator」の無償配布開始

■URL
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease558.html
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease560.html
http://home.netscape.com/communicator/free_faq.html (Q&A)
http://home.netscape.com/ja/newsref/pr/newsrelease558.html
 
 米Netscape Communications社および日本ネットスケープ・コミュニケーションズ株式会社は、WWWブラウザー「Netscape Navigator」と統合クライアントソフト「Netscape Communicator Standard Edition 4.0」を無料にすると発表した。

 すでに、従来90日間の制限付きで公開されていた「Netscape Navigator」と統合クライアントソフト「Netscape Communicator Standard Edition 4.0」と同一の機能を持つ製品を無償で同社のサイトからダウンロードできる。Navigatorについては、バージョン3.x以降の製品を無料で公開する。なお、販売代理店によるパッケージ販売については従来通り続けられる。価格は、従来通りオープンプライスで販売されるが、同社によると「価格が従来よりあがることはないだろう」としている。無料で配布されるものと製品との違いは、テクニカルサポートとマニュアルの有無だけとなる。
杉山社長
日本ネットスケープ杉山社長

 また、次期「Netscape Communicator 5.0 Standard Edition」のソースコードを無償で公開することも発表した。内容はソースコードの変更と再配布を許可するというもので、「GPL(GNU Public License)をふまえたライセンスとなる」としているが、詳細な規定については明らかにされていない。詳細およびソースコードは'98年3月31日に同社のWWWサイト上で公開する予定だ。ソースコードの公開については、サポートやバージョン管理の点で問題が起こることも考えられるが、そのリスクを考えてもオープンにすることでインターネットコミュニティや開発者を取り込みたいという同社の戦略が見てとれる。

 日本ネットスケープでは、無償配布に踏み切った理由として「サーバー、ソリューション製品が出揃い、体制が整った今がタイミングが合っていた」としている。また、サーバー製品中心の戦略は変わりなく「クライアントの無償配布を、サーバー製品の売上げに繋げていきたい」としている。今回の発表には、Microsoft社の「Internet Explorer」によるシェア圧迫が理由として考えられるが、同社では明言を避け「(WWWブラウザーの)シェアのリーダーシップは放さない」と語るに留まった。また杉山社長は「(無償配布により)短期的な売上げのダウンはありえるだろうが、長期的には持ち直すだろう」と語った。
 
('98/1/23)
[Reported by okiyama@impress.co.jp / yuno@impress.co.jp / nao-f@st.rim.or.jp / 永田順伸]



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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp