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【ソフトウェア】

KDDとNTTがリアルタイム映像配信技術で競合

■URL
http://www.kdd.co.jp/press/98-013.html (KDDニュースリリース)
http://w3-mcgav.lab.kdd.co.jp/qm/index.html (「クオリティモーション」製品情報)
http://www.lab.kdd.co.jp/kdd/lab/marine/JaMaPS/JaMaPSindex.html (「JaMaPS」製品情報)
http://info.ntt.co.jp/dlij/NR_J/9802/980205.html (NTTニュースリリース)
http://www.audiolink.or.jp/ (「AudioLink Pro」製品情報)

 KDDが5日、映像をリアルタイムに配信する「クオリティモーション」など、インターネット関連の新技術を発表する一方、NTTが同じく5日、リアルタイム映像配信システムの最新版「AudioLink Pro」を発表。インターネット分野における、両者の技術競争が始まりそうな気配だ。

 クオリティモーションは、今回発表されたVer.5でフルスクリーン表示およびステレオ音声に対応。ISDN(64kbps)接続時で10~15フレーム、28.8kbpsのアナログモデム接続時でも5~10フレームの滑らかな映像を実現。再生を開始するまでの待ち時間も2~3秒と大幅に短縮されている。配信する映像ごとに再生できる有効期限を設定できるのが特徴で、タレントの出演するCMなど、著作権・肖像権保護が必要なコンテンツにも十分配慮されている。映画の予告編を配信するために、このシステムの導入を検討している企業もある。現在、無料の再生専用ソフト「クオリティモーションプレーヤー」がダウンロード可能だ(Windows 95/NT版、Macintosh版。ただし、Macintosh版はストリーミング再生に未対応)。2月中旬には、クオリティモーションへ対応した映像圧縮ソフト「Video Builder Light」もマップジャパンより9,800円(税別)で発売される。

 同じくKDDの「ジャマップス/JaMaPS」は、JAVAをベースにした、地図コンテンツ表示のための技術で、複数のサイトに分散した地図情報をブラウザー上で重ね合わせて表示・編集するというもの。例えば、ベースとなる詳細な市街地図、道順だけを書いた地図、レストラン情報だけを書き込んだ地図などをそれぞれ別のサイトに用意し、これらを重ねることで一つの地図を作成することが可能。それぞれ一から地図を作る必要もなく、テーマごとに別の管理者によって情報を更新・管理できる。現在、建設省国土地理院において試験的導入が予定されているほか、年内をめどに商品化およびジャマップスを利用したコンテンツサービスを予定している。

 NTTのAudioLink Proは、同社の開発した最新の映像圧縮技術「Netviker」を利用することで、映像データを従来バージョンの約半分の容量に。専用線接続ではVHS並みの画質を実現する。音声には「TwinVQ」のステレオ版を組み合わせており、回線が混雑している時には、映像のフレーム数を落とすことで音声データが途切れるのを防止。音声と映像を同期させるための機能も搭載している。再生専用の「AudioLink Pro Player for Win(Ver.1.35)」(Windows 95/NT対応)がホームページより無料ダウンロードできる。今後NTTでは、テキストデータや静止画データにも対応できる配信システムの開発を進めていく。

 残念ながら、今のところ、いずれもホームページでサンプルが見られる程度で、これらの技術を使った本格的なコンテンツはスタートしていない。見る側としては、早くコンテンツ競争に発展して欲しいところだ。

('98/2/9)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp