■URL
http://www.superfishing.com/
明日は河口湖に釣りにでも行こうか、コンディションはどうだろう?と調べたら、「日付:1997/12/17、天気:曇りのち雨、水色:クリア、今日のNo.1ポイント:情報なし、ヒット数:情報なし……釣果は、全く報告が無かったので書くことができません。ごめんなさい」なんて書いてあるメディアがあったら、普通はアタマにくる。ところが、そんなことを書いているにもかかわらず、私が毎日チェックしてしまうのが「Super Fishing World」だ。
Super Fishing Worldは、バス釣りをメインに扱った、スポーツフィッシングの情報サイト。昨年の秋にリニューアルして、掲示板やらチャットやら売ります買いますコーナーやら、ずいぶんと盛りだくさんの内容になったが、私は専ら「VirtualKawaguchi」コーナーを利用している。湖のコンディションや釣れたポイント、釣れたルアーなどの情報が定点写真とともに毎日更新されている。本日2月16日は「曇り、景色は雪で真っ白、大橋下というポイントで25cmのニジマスが3匹、朝の冷え込みで釣果はイマイチ」といった具合だ。ポイントマップもあるが、基本的にはただコレだけ。なのだけれど、私は、釣りに行く前にはコレを参考にし、釣りに行けない日はコレを眺めることだけを楽しみにして、日々パソコンに向かっている。
VirtualKawaguchiに情報を提供しているのは、河口湖畔にあるスターダストというバスプロショップで、お店に来たお客さんの釣果報告を元にデータを作成している。ということはもちろん、お客さんが来なければ情報がないし、釣れない日だってある。また、釣り人は得てして「10匹を20匹」「30cmを50cm」と表現してしまうから、「その分を考慮して」最終的なデータを割り出しているそうだ。この手のメディアによくある「爆釣!3ケタ」とか「ランカー入れ食い!」などという心踊らせる表現が見られないところや、釣れないときは「釣れなかった」と正直に書いてあるところも、信用がおける。「釣れなかったら、釣れなかったと報告に来て欲しい」と書いてあるが、釣れなかったと報告に行くのは、気がひけるものだ(事実、私は報告に行けなかった)。
これが月刊誌とかスポーツ紙だったら、毎日情報を提供するわけではないから、釣れない日のことまで書く必要はない(釣れないなんて話、記事にならないし)。また、載っている情報は、船宿とか貸しボート屋さんが主な情報源。お客さんが来なくなるから「釣れてない」なんて言うわけがないし、自分のお店に来て欲しいから、自分のお店の近くで釣れているという情報に偏りがちにもなる。
一方、VirtualKawaguchiでは、冬になってあまり釣れなくなると、「今日は、お客さんが一人も来ない寂しい一日になってしまいました。お客様が来店しなければ、釣果に関する情報は入りません。残念です」なんて正直に書いてある。しまいには、「いくら真冬と言っても、土日でこのお客さんの入りとなるとはっきり言って死活問題です。インターネットどころの騒ぎではありません。どうか皆さん、励ましのメールは結構ですので(笑)買い物に寄って下さい!!」と、泣きが入る。でも、このページを見たら、雪積もってるし、寒そうだし、見るからに釣れなさそうなんだから、釣りに行こうなんて気にはならなくなるでしょう? 普通は。
まあ普通はそう思っちゃうんだけど、その日の情報だけを見て、明日はどの辺で釣るか、なんて考えるのが、そもそも間違いらしい。湖はコンディションが毎日刻々と変化し、釣れるポイントや釣り方もその日によって異なってくる。今日釣れたからといって、明日も同じように、そこで釣れるとは限らないのだ。毎日更新ということにばかり目がいっていると忘れてしまうが、VirtualKawaguchiでは過去の情報も検索できるようになっている。ここにある情報は、何か月もの間、毎日情報を確認し、今後状況がどう変化していくのかを長いスパンで分析するためのものなのだ。
もうすぐ春になれば、バス釣りもシーズンに入る。産卵前の、比較的いい釣果の期待できる時期だ。しかし、いつから春になるのか、というのは湖によっても違うし、年によっても違う。とあるバスプロは「冬から通いつめなければ、本当にいつ春が来るのかはわからない」と言っている。そんなことはとうてい無理な私は、とりあえず、このサイトで河口湖に通いつめることにする。
('98/2/17)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]