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【業界動向】

ソフト業界のトップ3人が米上院公聴会で証言

 米上院司法委員会は3日、急成長するコンピューターのソフトウエア業界に産業の寡占化を防ぐ反トラスト法をどう適用していくのかをめぐり、Microsoft社のBill Gates会長ら関係業界の経営トップから直接意見を聴く公聴会を開いた。

 司法省から反トラスト法違反で提訴され、激しい論争の渦中にある同氏は、同社の収入が世界のソフト業界全体の収入の5%に満たないとの例を挙げ「Microsoftはソフトウエアの巨人と呼ばれるが、独占的な力は持っていない」「独占企業というのは新規参入を拒み、市場価格を操作する者を意味するが、Microsoftはそのどちらでもない」と証言、政府介入に強く反論した。

 しかし、司法委員を務める議員からは「OSで9割ものシェアがあり、明らかに独占だ」などと同氏の説明に懐疑的見方が示された。

 公聴会ではこの後、同社とライバル関係にあるNetscape Communications社やSun Microsystems社の経営トップが、Microsoftの市場寡占ぶりについて証言、MicrosoftがOS分野で確立した独占的地位を利用してインターネット市場を支配することに強い懸念を表明し、反トラスト法の積極的な運用を求めた。

 NetscapeのJim Barksdale会長は、今年半ばにMicrosoftが発売予定のOS「Windows 98」がWWWブラウザーを組み込む形となれば「消費者は事実上、他社のブラウザーを利用できなくなる心配がある」と指摘した。反トラスト法適用でMicrosoftの独走に歯止めをかけるよう求めた。

 SunのScott McNealy会長も、インターネット市場の独占を防止することが、ソフトウエア産業での新たな技術革新につながると強調。「Microsoftは金融や新聞、放送からデータベースに至るまで独占的な力を利用しようとしている」と警告。「いったん独占が成立すれば、それを是正することは難しくなる」と述べ、司法省がMicrosoftへの反トラスト法適用を急いでいることを支持した。

('98/3/4)

[Reported by yuno@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp