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【業界動向】

Netscapeがソースコード公開に向け
ライセンス条項のドラフトを提示

■URL
http://www.mozilla.org/NPL/
news://secnews.netscape.com/netscape.public.mozilla.license
http://www.netscape.com/newsref/pr/newsrelease579.html

 Netscape Communications社は4日、Communicator 5.0のソースコード公開に際し適用する開発者向けのライセンス条項「Netscape Public License(NPL)」のドラフト(バージョン0.90)を提示した。上記のWWWページでその内容を確認できる。

 まず、同社の商標やロゴに関わる部分の使用は禁止されている。新たな機能を追加した場合、開発者はそのソースコードを無償で公開すると共に、変更部分を明記する必要がある。また、最初に公開してから12ヵ月、もしくは後のバージョンを公開してから6ヵ月の間は、ネットワークを通じて入手できるようにしておかなければならない。

 同社は今年1月、NavigatorならびにCommunicatorのStandard Editionの無償配布とあわせ、Communicator 5.0のソースコードを公開すると発表していた(本誌1月26日号参照)。2月には、開発者サポートを目的とした「mozilla.org」がオープンした(本誌2月25日号参照)。しかし、同社がライセンス条項の内容を明示したのは今回がはじめて。

 同社ではニュースグループを特設し、このドラフトに対する意見を11日まで募集する。早くも数百件もの意見が寄せられている。最終的なNPL(バージョン1.0)は、今月31日までにソースコードと共に公開される予定だ。

 日本ネットスケープ・コミュニケーションズ株式会社では、NPLの日本語訳ページの作成を検討しているという。ただし、その日本語訳が法律的に有効なものになるかどうかについては未定。

 また、このNPLとは別の枠組みで、各ソフトベンダーはCommunicatorのAPIを自由に利用できるようになる。例えば、翻訳ソフトの中でCommunicatorを呼び出し、ブラウジング機能を組み込むことも可能だ。ただし、Communicatorのソースコードそのものを変更することは許されていない。この場合、新たに作成したソースコードを公開する必要はない。

 なお、Internet ExplorerをOSの一部と主張するMicrosoft社は、以前よりIEのAPIを自由に利用できるようにしていた。例えば、メールソフト「Becky! Internet Mail」や自動巡回ソフト「NetRecorder」などが、これを利用している。

 これまでNetscapeにより培われてきたブラウザー技術は今後、Netscape独自による「Netscapeブランド」、NPLに基づきmozilla.orgで開発される「mozilla.orgブランド」、CommunicatorのAPIを呼び出す「他社ブランド」という3つの流れに別れることになる。

('98/3/9)

[Reported by yuno@impress.co.jp / Hiroyuki Et-OH]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp