小惑星「1997 XF11」が2028年に地球に接近することがわかり、新聞などでは「衝突する?」といった報道もなされた。これについて、実際はどうなのか、天文関連サイトの紹介を交えて見てみたい。
■ONE-MILE-WIDE ASTEROID TO PASS CLOSE TO THE EARTH IN 2028
http://cfa-www.harvard.edu/iau/pressreleases/1997XF11.html [英語]
http://www.nao.ac.jp/nao_news/mails/000162 (国立天文台・天文ニュース)
Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター)が、1997 XF11の接近について発表した。これによると、1997 XF11は月より近い位置を通過するとの計算で、場合によっては衝突の危険性もあるとした。国立天文台・天文ニュースでもこれを受けてニュースを掲載。
■Asteroid will miss Earth in 2028
http://www.jpl.nasa.gov/releases/98/asteroid.html [英語]
しかし、Jet Propulsion Laboratory(ジェット推進研究所)の研究者が1990年の写真に1997 XF11を発見。これにより計算したところによると、接近距離は地球から約96万km(月までの距離の約2.5倍)と発表された。
■日本スペースガード協会
http://pluto.mtk.nao.ac.jp/SGFJ/news/1997XF11.html
地球に接近する天体について調査している「日本スペースガード協会」も、1997 XF11にについて研究。3月16日から開催されている天文学会春季年会で「小惑星1997 XF11の軌道運動について」として発表。なお、「いずれにしましても今後の観測によってより精密な軌道を求める必要があります」とコメントしている。
■The Spacewatch Project
http://www.lpl.arizona.edu/spacewatch/ [英語]
1997 XF11を発見した、Arizona大学「Spacewatch Project」のページ。発見時の写真が掲載されている。
■Near-Earth Asteroid Tracking Home Page
http://huey.jpl.nasa.gov/~spravdo/neat.html [英語]
このページによると、1997 XF11は直径340m程度。比較として、アメリカの直径2kmのクレーターを作った隕石は推定で直径30m、恐竜絶滅の原因と考えられている隕石は直径10km程度と推定されている。
■MORE EVIDENCE POINTS TO IMPACT AS DINOSAUR KILLER
ftp://ftp.hq.nasa.gov/pub/pao/pressrel/1998/98-042.txt [英語]
「恐竜絶滅の原因と考えられている隕石」についての、NASAの広報資料。
■Asteroid and Comet Impact Hazards
http://ccf.arc.nasa.gov/sst/main.html [英語]
もし実際に地球に天体が衝突するとどういう事が起きるかを解説するページ。ホームページの画像は強烈。
■横浜市青少年科学普及協会「宇宙・天文ニュース」
http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/index6.html#1997xf11
今回の発見について、一連の経過をWWW上の資料をひきながら解説。事の経過と資料を日本語の解説で読める。
('98/3/16)
[Reported by tatekawa@planet.club.or.jp / masaka@impress.co.jp]