【イチオシ】

第76回レポーター: 矢口 優氏

異なるプラットフォーム間のページの見え方を学びたいなら「Dakiny's Room」

■URL
http://www.dakiny.com/

 以前はWindowsのパソコンを持っていなかったので、自分のページをMacintosh以外の環境で見たことがなかった。1年ほど前に旅行に出かけたとき、たまたまパソコンショップからWindowsマシンで自分のページを初めてのぞいた。その時に受けた大きなショックは忘れられない。自分のマシンで見た時とでは色の出方がまったく違い、さらにデフォルトで使われているフォントの違いから生ずるページ全体の印象の違いに驚いた。パソコンユーザーの大半を占めるWindowsユーザーには、自分の意図したデザインでページを見てもらえていないということを知り、悲しくなった。その後、PC環境の違いによって見え方に差が出ないページが作れないものかと情報を探した。

  調べてみたところ、そうしたことを訴え、実際の対処テクニックを語ってきた人として、まずアメリカのLynda Weinman ( http://www.lynda.com/ ) があげられるだろう。この点で彼女の数々の著書や雑誌連載記事の果たした役割は大きい。だが、彼女の本は1冊5,000円程度と、原書、翻訳版とも学術書のように高価。彼女の本を買うのは少々躊躇するかもしれない。しかし、同様のことを彼女の本ほどわかりやすく、丁寧に解説した日本人による本は、ぼくの知る限り現在まで見たことはない。

 同様の悩みを抱えている人は、今回紹介する「Dakiny's Room」をのぞいてみるといい。異なるプラットフォーム間のWebページの見え方や、色の問題についての解説は「Homepage Color Chart」というコーナーの「216 Color Chart」にある。そこには問題がどうして生ずるかといったことやその解決法について、また、異なった環境でも互換性のある色の見本216色が示されている。それだけでは本による解説と変わらないが、このサイトのいいところはJava Scriptを利用して実際に背景の色を変更していろいろと試せる点にある。それもそのはず、Dakinyさんはグラフィック・デザイナーなのだそうだ。そのほかにも色についてのわかりやすい解説をしたコーナーや、Web用に「TEXT&BACKGROUND」という配色を試せるコーナーも設けており、色使いに対するこだわりが伺える。また、そのすべてのコーナーにおいて学んだことを、Java Scriptによってすぐ試せる点は便利だ。

 Webページというのは誰でもが作成できる簡便な面がある反面、逆にきちんと勉強している人としていない人との力量の差が露骨に出てしまう面も持ち合わせる。最近ではWeb制作の専門家が作ったものでもないのに、高度なHTMLやプログラミングテクニックを駆使していろいろな「仕掛け」を演出しているページも珍しくない。しかし、そうしたページでも配色は素人以下の趣味の悪いものをよく見かける。ページ制作において、背景やフォントの色を変更するのは容易なことだから、ぜひ一度このページにアクセスすることをおすすめしたい。

('98/3/24)

[Reported by yuy@ibm.net]


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