【イチオシ】

第77回レポーター: 北條リエ氏

書籍のセレクトショップ、青山ブックセンター

■URL
http://www.aoyamabc.co.jp/

 数あるWebの書店の中で、私がイチオシしたいのは「ABC」の略で親しまれている「青山ブックセンター」だ。Web上の書店ができる前から、六本木店や新宿店をよく訪れていたお気に入りの店だ。ABCは、特に国内外の美術・デザイン・音楽・映画といった芸術の分野に特に力を入れており、ユニークな品揃えと期待を裏切らない在庫が特徴だ。例えば六本木店では、私が欲しかった「Switch」の山本洋子特集の号などは、雑誌のバックナンバーなのに、美術書のコーナーにちゃんと置かれていたし、数年前にドラマ「ツイン・ピークス」が流行っていた頃は、いち早く洋書のナゾ解き本やチェリーパイの本などが入荷しており、コーナーもできていた。明け方の5時30分まで営業しているのも便利。六本木という土地柄なのかもしれないが、夜更けに輸入雑誌を買い求めている外国人を見かけるなど独特の雰囲気も気に入っている。

 Web上のショップでは、メインのページは見た目はそっけないほどシンプルなデザインになっている。しかしよく見ると輸入書フェアや、環境問題に関する書籍のコーナーを常設するなど、独自の企画や「リコメンド(推薦)」のコーナーに力を入れているのがわかる。各ジャンル別に担当者が選んだ書籍を推薦文つきで紹介しているほか、ジャンルごとのページデザインがそれぞれ個性的で探っていくのも楽しい。

 購入するには、まず会員登録をしておき、支払いは郵便振込またはクレジットカードで行なう。申込みをしてから平均7日で到着し、送料は地域・重量によって異なる。ちなみに先日私が申し込んだ60年代の映画ポスター集(洋書)は、メールで注文してから2~3日で届いた。

 実は私がこの書籍を購入したのは、もともと映画が好きで、60年代のグラフィックデザインにも興味があったこともあるが、一番の理由は店員さんの「誰よりも入荷を待ち望んでいた」という思い入れたっぷりのコメントに期待したからだ。

 こういった店側の送り手が個人的なメッセージで商品を伝え、それをそのまま購入者側の受け手個人に届けることが可能なのは、Webショップの素晴らしい特徴だと思う。

 本好きの人は、ベストセラーやメジャーな分野は大型店、特殊なジャンルは専門店で購入というふうに使いわけをしていると思う。ABCには、まだ欲しい本が決まっていない時でも、立ち読みせずに安心して買い物ができるようなWebショップを期待している。

('98/4/7)

[Reported by rie@d1.dion.ne.jp]


INTERNET Watchホームページ


ウォッチ編集部INTERNET Watch担当 internet-watch-info@impress.co.jp