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【法規制】

風営法改正案は基本的人権を侵害するおそれが強い
日弁連が会長声明を発表

 日本弁護士連合会は24日、インターネット上のわいせつ映像への規制を盛り込んだ風営法改正案に対する会長声明を発表した。表現の自由の制限、通信の秘密の保護の侵害、映像送信の検閲など、基本的人権を侵害する内容があるとして反対している。

 改正案では、インターネットを用いてわいせつ映像を販売する業者に対して届け出制を採用、18歳未満の者への販売を禁止するとともに、プロバイダーに対して、わいせつ映像の送信を防止する努力を義務づけている。これらに違反した場合には、適切な措置をとるよう公安委員会が勧告できる。

 これに対して日弁連は、1)勧告措置権の内容があいまいであり、警察による映像内容の検閲になるおそれがある、2)わいせつ概念が不明確であり、プロバイダーによって映像事業者の表現の自由が制限されるおそれがある、3)電気通信事業法によりプロバイダーに対して定められている検閲の禁止と通信の秘密の保護を侵害するおそれがある、4)通信傍受法とあいまって、インターネット通信分野への警察規制が強まることにより、インターネットの表現の自由が制約されるおそれがあると指摘している。

 改正案は3月に警察庁が国会に提出、4月10日に参議院を通過した。28日にも衆議院で採択されるため、日弁連では急きょ、声明を発表した。改正案については、すでにインターネット弁護士協議会が意義を唱える声明を発表(本誌3月12日号参照)しているのをはじめ、導入を懸念する声は多い。

('98/4/27)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp