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【業界動向】

インターネット上のポルノ放置でドイツのプロバイダーに有罪判決

 ドイツ・ミュンヘンの区裁判所は28日、インターネット上でポルノが流れるのを放置したとして少年保護法などに問われていたプロバイダーに対し、執行猶予付き自由刑2年の有罪判決を言い渡した。

 裁判官は「インターネットにも法と無関係な地帯は存在しない。被告は電子メディアを乱用した」と指摘した。

 判決はインターネット上を流れる情報内容について、情報の創作者や提供者だけではなく、ネットを運営する接続業者にも責任があるとしたもので、インターネットの在り方について大きな議論を呼びそうだ。

 被告は米大手パソコン通信会社CompuServeのドイツ子会社の前社長。(1)子供や動物に絡んだハードポルノがネット上に流れるのを意図的に放置した(2)ドイツ国内で禁止されている「暴力賛美のコンピューターゲーム」を黙認した―との理由で、昨年4月に摘発された。

 CompuServeは「意図的に放任した事実はない。世界各国から流れ込む情報をドイツ国内で組織的に阻止するのは不可能」と反論していた。また、「ドイツの情報通信産業の発展を阻害する不当な判決」との批判も吹き出している。野党、社会民主党(SPD)の情報通信専門家のタウス議員は「判決を下したミュンヘンの裁判官はインターネットについて無知。(キリスト教社会同盟が政権を握る)バイエルン州政府にそそのかされた」と批判。裁判官はドイツのインターネットをつぶした罪を背負うことになろうと述べた。

('98/5/29)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp