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【調査結果】

バナー広告の効果について、日本広告主協会が報告書

 日本広告主協会は、バナー広告の効果について行なった実証実験の結果をまとめた。Webサイト上に設置されたバナー広告のクリック率は、その面積にある程度比例するとともに、GIFアニメなどを使うことでも上昇することがわかった。

 実験は、同協会ディジタルメディア委員会のメンバーであるトヨタ自動車、資生堂、小学館、日本マクドナルド、NECの5社とデジタルガレージが共同で実施。'97年10月14日から12月22日にかけて行なわれた。「Infoseek Japan」を実験媒体とし、バナー広告から各社サイトへのアクセスについて集計。バナーの面積やファイル形式、出稿ページによる効果の違いを検証した。

 これによると、バナーの面積が通常サイズの2倍になるとクリック率は約1.6倍に、3倍で約2.5倍に、逆に2分の1では約4分の3になるとの結果が出た。また、バナーにGIFアニメを利用することで、静止GIFに対して面積換算で1.5倍、HTMLファイルでは同じく2倍以上の効果があると確認された。バナー広告に含まれる情報量が多いほど、クリック率が上がるとしている。出稿ページとの関係については、閲覧者の少ないページほどクリック率が高くなることがわかった。ページビューが10分の1のページでクリック率は2倍弱に、100分の1のページでは3倍弱に上昇する。これは、細分化されたページほど、閲覧者の属性も絞り込まれ、広告への関心が高くなるためと考えられる。

 現在、インターネットは新しい広告媒体としても成長を続けており、国内における'97年のネット媒体への推定広告費は約60億円。前年の16億円に対し約4倍の急激な伸びとなっている(「インターネット白書'98」)。しかしながら、その広告効果については明確な基準が確立されておらず、料金体系や保証内容(ページビューなのか、クリック数なのか)などのバラツキが広告出稿のネックとなっているという。今回の実験のように「バナー広告の効果を定量的にとらえて分析を加えたのは、おそらく日本でも初めて」としており、協会では、広告主が出稿内容を決定する際の一助となる基準を提示していきたいとしている。なお、実験結果についてまとめた報告書を近日中に公開、一般にも販売していく予定だ。

◎問い合わせ先
社団法人日本広告主協会
TEL 03-3562-5826

('98/6/25)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp