金沢医科大学は、患者のカルテをWebに掲載し、インターネットを通じて閲覧できるサービスを開始すると発表した。初めて受診する病院でも、患者は、自分の病歴や健康状態などを正確に医師に伝えることができるようになる。
今回のサービスでは、金沢医科大学病院・健康管理センターの人間ドックを受診した患者を対象に、希望者の医療情報を同大学のWebサーバーに掲載。URL、ID、パスワードを入力することで閲覧できる。患者の病歴、検査結果、血液型、常用薬などが英文と和文で詳細に記されているほか、レントゲン写真や心電図なども掲載。プライバシー保護のため、サーバーとのやりとりはSSLにより暗号化される。
従来、旅先で病気や事故に遭った場合、初めての病院で治療を受けなければならず、初診の医師に患者の医療情報を正確に伝えることは難しかった。このサービスを利用することにより、国内はもとより国外の病院でも、医師は患者の詳細な医療情報を得られるようになる。すでに十数名の患者がこのサービスを利用しており、旅先で発病した患者からは「安心してビジネスに専念できる」と好評を得ているという。金沢医科大学では「病医院間連携、在宅医療などにおける医療情報交換ニーズに対し、一つの方法を提示するものである」としている。
('98/7/2)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]