郵政省は7日、「21世紀 ドメインネーム新時代への展望」という報告書を公表した。今年3月に同省が設置した「インターネット・ドメインネームに関する研究会」(座長、後藤滋樹早稲田大学理工学部情報学科教授)の中で話し合われた内容をまとめたもの。
同報告書では、ドメインネームの管理に関する政府の役割が検討されており、「管理は民間主導で推進されるべき」とした上で、「利害関係の複雑化に伴い、政府の役割も拡大」すると指摘。ドメインネーム管理に対するビジョンの提示、適正なドメインネーム管理の実施の注視、登録機関の国際的・国内的連携の支援と公正な競争条件の確保、民間セクターに対する議論・情報交換の場の提供などを、今後期待されるであろう政府の役割としてあげている。
また、米商務省によるドメインネーム管理の民営化に関する最終案(ホワイトペーパー、本誌6月9日号参照)に対する同研究会からの提言も盛り込まれている。「ドメインネームは、全てのインターネット利用者に関係を有する重要な要素。したがって、ドメインネームの管理体制の見直しの上で、できるだけ幅広い層から意見を求め、それを十分に反映した体制を構築することが必要」とし、ホワイトペーパーの内容を概ね評価。新団体設立に向けて、早急に準備会合を開催すべきとしている。
インターネットの利用価値が認められて以来増加している商標に関わるトラブルに対しては、「ドメインネームの登録においては迅速性が極めて重要、(中略)事後的な対応を原則とすることが適当」とした上で、「紛争が生じた場合にどの手続きに則ればよいのかを登録機関があらかじめ明らかにすることが必要」としている。
このほか、国別トップレベル・ドメイン(ccTLD)の管理の在り方などについても触れられている。関連の用語集から、米商務省のホワイトペーパーやIAHCのgTLD-MoU(本誌'97年4月11日号参照)のJPNICによる翻訳文まで、100ページを超えるドメインネーム管理に関する資料も付属している。
郵政省では、近日中にこの報告書を同省のWebサイトに掲載する予定だ。
('98/7/7)
[Reported by yuno@impress.co.jp]