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【イベントレポート】

インターネットで儲けるには? CNET Briefs「Web Businessの旗手たち」開催

■URL
http://cnet.sphere.ne.jp/Info/seminar.html
http://cnet.sphere.ne.jp/Newsmakers/index.html (Newsmakers in Japan)
http://cnet.sphere.ne.jp/Newsmakers/stream.html (中継ページ)

logo 7月9日、株式会社NTTPCコミュニケーションズ主催によるコンファレンス「WEB BUSINESS CONFERENCE~Web Businessの旗手たち」が開催された。コンファレンスは、ニュースサイト「CNET Briefs」のサービス開始1周年を記念したもので、実際にWeb上でビジネスを展開している、または、始めようという人を対象に実施された。ゲストにはCNET Briefsで連載中のインタビュー記事「Newsmakers in Japan」に登場した、現在のインターネットビジネスでのキーパーソンともいえる面々。コンファレンスは3部構成で行なわれた。



Session1 オンラインコミュニティの運営・管理の実際

 第1部では、株式会社フォーディーコミュニケーションズ(4D)の森山芳郎氏(写真右)、ジオシティーズ株式会社の長嶋貴之氏(写真中央)が登場し「オンラインコミュニティの運営・管理の実際」をテーマにディスカッションが重ねられた。無料のWebメールサービスで知られる4Dと、無料のホームページサービスで知られるジオシティーズだが、「運営上で大変なこと」について、森山氏は「メールに関するトラブルで通常起こると言われている事はすべて起こっている」、長嶋氏は「(利用者の)ホームページの質を維持すること」と、お互いの苦労点を語った。

 しかし、「オンラインコミュニティの運営・管理の実際」というテーマに沿った発言はここまでで、後半は「インターネット上でビジネスを展開する苦労」がテーマの中心になっていた。森山氏は、インターネット上の重要なビジネススタイルの一つとして「ポータルサイト」をあげ、「ユーザー側には無料で提供されるが、裏側で企業対企業でお金の動きがある。ここにビジネスが生まれる」とした。また、「東京以外の場所を拠点にしてインターネットビジネスを展開することができるか」という問いに対しては、すべてのビジネスが東京中心であるという日本の産業構造に問題があるとした。長嶋氏も「技術的にはまったく問題ないが、営業面で問題がある」と語った。
 今後のビジネス展開については、両者とも「無料サービス」だからこそ現在の成長があるとして「無料のモデルを追求していく」と語った。


Session2 オンラインエンターテイメントの魅力と未来

Jストリーム、タワーレコード 「オンラインエンターテイメントの魅力と未来」と題されたセッションでは、株式会社Jストリームの古株均氏(写真右)、タワーレコード株式会社の伏谷博之氏(写真左)が登場。動画のストリーム配信サービスで知られるJストリームと、インターネット上でCDを販売するタワーレコード。話の内容は主にエンターテイメントのコンテンツよりも「物販」に重きが置かれた。古株氏は、「テレビは不特定多数を相手にしたメディア、インターネットは『特定少数』を対象にしたメディア。その分熱心なユーザーが多い」「例えばコンサートを中継しながら、その会場でしか売ってないグッズをオンラインで販売すれば、かなり売れるはず」としている。伏谷氏は、リニューアルしたタワーレコードサイトを紹介しつつ、購買層の変化を語った。サイト開設初期は、データベースでマニアックなアーティストのCDを検索し購入する層が多かったが、半年を経たあたりから通常のCDショップに来る購買層に近いものになってきたという。ただしまだまだ市場は小さいとのこと。
 ほかには、ストリーム配信の将来的な使い方として、オンラインショッピングでの注文書の書き方を動画で配信するなどのアイディアが出された。なお、古株氏は会場で、8月初旬に歌手中山美穂のコンサートの模様を有料で配信することを明らかにした。


Session3 インターネットに求められる即時性の必然

impress,nikkeibp 3番目は、株式会社インプレスの田村明史(写真左)氏、日経BP社の竹田茂氏(写真右)によるセッション「インターネットに求められる即時性の必然」が行なわれた。インプレスは「INTERNET Watch」、「PC Watch」、日経BPは「日経BizTech」などの速報メディアを持っているが、それぞれ即時性を維持するための社内体制などが紹介された。
 竹田氏は、NTTと日経BP社の協同によるビジネスマン向けサイト「Comtrack」をあげ、「インターネット上のビジネスでは、従来、関連のなかった業種の企業同士が組みやすいメディアだ」と語った。インターネットというメディアにおけるビジネスモデルについて、田村氏は「放送モデル、新聞モデル、出版モデルが混在している状態」としており、今後は様々なデバイスに情報を配信することも考慮したうえで「新しいビジネスモデルの形態にチャレンジしたい」と語った。


 コンファレンスは、3つのテーマに分けて開催されたが、内容的にはすべて「インターネットで儲けることができるのか? ビジネスは成り立つのか?」といったものであった。どの分野でもまだビジネスモデルを模索中で奮闘している最中といった印象だが、その可能性を疑っている人はいない。実際に事業として展開しており、先駆者として苦労を重ねている人達の話なので、インターネット上でのビジネス展開を志す人には参考になるはずだ。

 なお7月10日には、「オンラインショッピングの成功例とその秘訣」、「サーチエンジンから予測されるオンラインの展望」などのテーマで、日本ゲートウエイ2000の松井隆氏やエキサイトの伊藤裕太氏などが出演。コンファレンスの模様はインターネット上でも生中継する。

('98/7/9)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]

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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp