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http://www.whitehouse.gov/WH/New/html/19980714-5571.html
クリントン米大統領は14日、コンピュータの2000年問題について「解決には多大な労力が必要で、さらに取り組みを強化する必要がある」と強調、対応策に関し企業間の情報共有を促す法案を議会に提出する方針を明らかにするなど、官民を挙げた対策を訴えた。
2000年問題については、交通機関の麻痺や停電など様々な混乱が予測されているが、大統領は米科学アカデミーで行なった演説で「(対応を怠って)シャンパン片手に2000年を迎えると、手痛い二日酔いに見舞われるだろう」と述べ、対応の遅れが目立つ民間部門に警告を発した。
大統領は、問題の対応には何十億行ものコンピュータプログラムの検査に数百万時間かかるとして、早期に取り組む必要性を指摘。政府機関は来年3月を目標に対応を進めるが、政府だけの問題ではないと強調した。
法案は、公開した情報が間違いと分かっても企業に法的責任は負わせないと規定している。多くの企業が、訴訟を恐れて他の企業に情報を提供するのをためらい、問題への対応の遅れにつながっていることが背景にあるという。
金融、証券会社などが参加した2000年1月1日を想定したコンピュータ作動実験がニューヨーク・ウォール街で始まるなど、米国ではこの問題に対する注目がにわかに高まっている。
また、米国防総省のベーコン報道官は14日の会見で、コンピュータの2000年問題で、誤作動が軍事的な紛争につながるのを防ぐため、ロシアなどと早期警戒システムの情報を共有する計画について話し合いに入っていると述べた。
ミサイルなどの攻撃を察知する早期警戒システムは、衛星やレーダーから入る情報をコンピュータ処理している。コンピュータの誤作動により、間違った警戒情報が流れる恐れがあるため、米国はロシアと警戒情報を交換する仕組みを検討している。
('98/7/15)
[Reported by yuno@impress.co.jp / Hiroyuki Et-OH]