■URL
http://www.jinja.or.jp/ (神社オンラインネットワーク連盟)
http://www.ask.or.jp/~uma490/ (馬の情報館)
8月20日、東京都台東区の矢先稲荷神社で研修会「神社界インターネット利用の現状と未来~人文系のパソコン利用」が開催された。「神社」と「インターネット」。一見あまり関連がなさそうに思えるが、どのように利用しているのか、また、今後どうなるのかを探るため、編集部も参加してみた。
会場となった矢先稲荷神社の宮司、高島邦夫氏(写真)は、'96年に「神社界1番」を目指し自らホームページを開設するなどインターネットの活用に積極的だ。残念ながらホームページの開設は四国の金比羅宮に先を越され神社界で2番目となったが、ページの内容は、氏の趣味「馬」の情報満載の充実したものになっている。
今回の研修会では、神社関係者のネットワーク「神社オンラインネットワーク連盟」を運営する、東京都調布市、国領神社の野澤靖明氏、國學院大學日本文化研究所専任講師の黒崎浩行氏らが参加した。
「神社オンラインネットワーク連盟」では、神職資格保有者、神社関連団体所属者、神社関連ホームページ開設者を対象にメーリングリスト(ML)を開設しており、現在170名以上が参加している。
この中で、2については神社系では見られるが他の宗教では見られない例とのこと。また、3は、キリスト教系でかなり多く見られるとのことだ。
また、インターネット上に宗教サイトがあることの特質として、「他宗教との並立・共存を目の当たりにする」「組織宗教のヒエラルキーの浸食」をあげた。
研修会で行なわれた対談「神社界インターネット利用の展望と問題点」では、今後の展望も含めてインターネットの活用法が模索された。特に「バーチャル物」について、参加者からは、「バーチャル神社は、実際に行けない人には役立つかもしれないが、やはり(実際の神社の)おごそかな場所に行くことが大切。最終的には実際に神社に参拝に来てほしい」との意見が出た。このことは、「バーチャル世界に神は宿るのか」「神社の尊厳性は」といったことにも関わることなので簡単には答えの出ない問題ではあるが、場所的に離れてしまった氏子との関係を維持するためにも必要といった意見も出た。ほかに、神社ホームページの在り方として、「布教より啓蒙が大切」「神社の持つ貴重な資料などを画像で紹介するべき」といった活発な意見も出た。