■URL
http://www.riaa.com/promo/releases/1998/mp3rel.htm
http://www.diamondmm.com/company/public/PressRelease.CFM?ID=211
http://www.diamondmm.com/rio/ (Rio PMP300)
米国レコード産業協会(RIAA:The Recording Industry Association of America)は、携帯用MP3プレイヤー「Rio PMP300」を販売する米Diamond Multimedia Systems社に対して「著作権保護を侵すもの」として製品の出荷/販売の停止を訴えた。
Rioは、パソコンに接続してMP3の音楽データを取り込むことができ、小型軽量で手軽に持ち運べる携帯用の音楽プレーヤー。Diamond社は「mpman」の名称で知られる携帯用MP3プレイヤーを開発していた韓国DigitalCast社を買収しており、Rio PMP300は、mpmanの最新バージョンとも言えるものだ。日本国内でも10月末に販売される予定。
RIAAによる訴えの内容は、Rioのような携帯用MP3プレイヤーが'92年に定められた法「AHRA(Audio Home Recording Act)」を侵害しているというもの。AHRAは、一般家庭での音楽録音に関する法律で、特にデジタル録音機器によるコンテンツの違法複製などを禁じている。RIAAでは、Rioが、AHRAで定められているデジタルコピーの世代管理規格「SCMS(Serial Copyright Management System)」に準拠していない点など指摘している。また、MP3による違法ファイルが数多く存在していることをあげ「RioのようなMP3用の『録音』デバイスがインターネット上の違法MP3コンテンツの流通拡大を助長する」としている。同協会の調査によると80以上のサイトに20,000以上の違法MP3ファイルを確認したという。
一方、Diamond社では、RIAAが訴えの中で、RioをMP3の「録音機器」として捉えているのに対して、Rioはパソコンのハードディスクに蓄積されている音楽データを読み込むだけの「再生専用」機器であると反論している。Rioは、インターネット上に掲載された正規のMP3データを取り込んで再生するための機器であり、著作権を侵害するものではないという訳だ。同社では、もし、RIAAの訴えが通るのなら「ユーザーは、個人利用のためであってもWWWで見た新聞記事を自宅のプリンターでプリントアウトすることができなくなるだろう」としている。また、Good NoiseやHollywood Recordsといったレコードレーベルが、すでにMP3で公式に楽曲を提供していることあげ、今後もMP3による楽曲配信が拡大していくとしている。
RIAAでは、Rioの出荷開始までに話し合いを進めたいとしているが、今後、Rioの販売方法も問題として考えられそうだ。Rio自身は確かに再生専用機器といえるが、Diamond社では、パソコンを使ってCDからMP3フォーマットへデータを変換することができるソフト「Jukebox MP3」(MusicMatch、Xing Technologyからのライセンス)をRioに同梱して販売する予定だ('98年9月14日号参照)。これにより、自分の好きなCDから手軽にRio用のMP3ファイルを作成することができるが、同時にそれをインターネット上にあげた瞬間「違法MP3」になってしまう可能性もある。
('98/10/12)
[Reported by okiyama@impress.co.jp / HOSAKA the G33kSt@r]