著作権をいかに保護し、多くのコンテンツを流通する仕組みを作っていくかということは、インターネットの普及に伴ってますます大きな問題となっている。カナダのTragoeS社が、その問題に対する1つの回答を提供し得るソフトを発表した。
同社の「RightsMarket」と呼ばれるシステムは、コピープロテクトをかけたり、解除したりするのではなく、著作権者の判断でユーザーにコンテンツの使用権を与え、それを管理するという概念に基づいている。
例えば、あるユーザーが出版社のサイトで論文を購入する。そのユーザーが使用権同意書の内容に同意すると、自動的にRightsMarketのクライアントソフトがインストールされる。その論文は暗号化されており、ユーザーが読もうとするとメモリー上で解読されるが、ディスクに保存しようとすると再び暗号化されて保存されることになる。RightsMarketのクライアントソフトは、そのユーザーが何回その論文を見たかを記録していて、ユーザーが次にネットワークに接続したときに自動的に出版社にあるRightsMarketサーバーに接続、通知する。もしそのユーザーが同意書に違反するような方法で論文を利用していたなら、出版社はそのユーザーの使用権を取り消すことができるようになっている。
TragoeSでは、このソフトの最新版であるバージョン1.1(Windows版)を今月2日に発表。同社のサイトから試用版をダウンロードすることができる。
('98/11/9)
[Reported by Taiga Aoki]