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http://www.oreilly.co.jp/pcjp98/
「Java、ActiveX、プッシュ技術などの話は雑誌でもよく取り上げられて注目されたが、実際に言語として多く利用されているのはPerlだ」。都内のホテルで11日、12日の2日間にわたり開催されている「Perl Conference Japan」は、O'Reilly & Associates社のTim O'Reilly社長のそんな一言から始まった。
Perlは、Web上の入力フォームから送られてくるデータを処理するCGIに最も広く利用されているコンピュータ言語。ログの集計やシステムの管理などにも利用され、インターネットとは切り離せなくなっている。
そんなPerlの魅力と最新の動向を紹介しようというのが同カンファレンスの目的だ。開催にあたり、Perlの開発者であるLarry Wall氏も来日、O'Reilly氏とともに基調講演に登場した。
先に壇上に上がったO'Reilly氏は、Netscape Communicatorのソースコード公開に始まるこのところのオープンソース・ムーブメントに触れ、「最近、Linuxが話題になっているが、これは何も新しい話ではない。オープンソースはインターネットと非常に親和性が高い。BINDやSendmailにしてもそうだし、IETFの運営自体もオープンソース的だ」と指摘。オープンソースという考え方が、今後もインターネットの発展と密接に関わっていくという見通しを示した。
さらに、同氏は「Infoware(Information Application)」という概念について、「友人からコンピュータを買いたいと相談を持ちかけられ、その理由を尋ねたところ、Amazon.comを利用したいからと答えた。従来はスプレッドシートのようなデスクトップアプリケーションを使いたい、というのがコンピュータを購入する理由となっていたが、これが変化してきている。Amazon.comやYahoo!のようなサイトを1つのアプリケーションとして考える。これがInfowareだ」と説明した。
続いて自称日本通のWall氏が登場。用意した「Aikido for Programmers」と題したスライドをスクリーンに映し出し、会場の笑いを誘った。同氏はその由来について「合気道には色々な型がある。それらを組み合わせて戦うわけだ。コンピュータ言語のプロセスもそれに似ている」と語った。
また、同氏はPerlの特徴を「コンピュータとプログラマーを一体化させ得るもの」と表現した。Cやシェルスクリプト、sedやawkといったUNIX上で一般的に利用されていた言語では実現できない穴を埋めるのがPerlなのだという。
Perlの生い立ちと開発コンセプトを一通り説明した後、Javaとの連携(Java Perl Lingo)、マルチスレッド化、Cやバイトコードへのコンパイル、XMLなど、Perlに関する今後の展望を簡単に紹介し、講演を締めくくった。
('98/11/11)
[Reported by yuno@impress.co.jp]