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【業界動向/ソフトウェア】

ブラウザーをポータルに
NeoPlanetの野望

■URL
http://www.neoplanet.com/

 自社のWebサイトをポータルにすれば、たくさんの人が訪れ、広告収入が得られる。しかし、なぜWebサイトなのか? 通過したらそれっきりの玄関より、どこでもついて回るブラウザーそのものを活用しよう。そんな発想をビジネスに結び付けようとしている会社がある。Bigfoot International社の一部門であるNeoPlanetだ。

 同社は9日にブラウザーの新バージョン「NeoPlanet 2.0」を発表したが、その配布方法にはちょっと驚かされる。Netscapeが最初にブラウザーを配布した時は(β版を除き)基本的に有料だったし、その後Microsoftが参入したときにはブラウザーを無料で配布した。これに対し、NeoPlanetは、ブラウザーを他の企業に配布してもらい、利益の一部分(通常15%)を回収するというのだ。

 NeoPlanetには、「ブックマーク」や「お気に入り」に似た「Channel」が付いている。ここには、あらかじめ数百のサイト(ニュースからオンラインショッピングまで)が登録されており、それらのサイトが上げる利益の一部がNeoPlanetに還元されるというわけだ。ユーザーがどんなサイトを訪れようと、いつもブラウザーには広告が表示されており、ここからの収入も見込める。

 NeoPlanetを配布する企業にも多くのメリットがある。このソフトは自由にカスタマイズ可能で、NeoPlanetの名前を全く出さずに自分の会社のロゴを入れたり、自社のWebサイトに顧客を誘導するなど、ブラウザーそのものがマーケティングに大きな役割を果たす。

 ユーザーが気になる基本機能はどうだろう? 実は、NeoPlanetのコア部分にはInternet Explorerが使用されているために、基本的に機能面での違いはない。おかげで開発コストも抑えられる。同社はさらに、ソースコードを公開したMozilla版を開発していることも発表している。

 同社では、40以上のプロバイダーとブラウザーの配布契約を結び、今年末までには50万人のユーザーを得たいと考えている。大手のポータルが巨額の資金をつぎ込んでWebサイトの構築に励んでいる中で、この「ポータルブラウザー」ビジネスモデルが成功するのかどうか、注目されるところだ。

('98/11/13)

[Reported by Taiga Aoki]


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